2021年も依然、新型コロナウィルス(Covid-19)が猛威を振るい、感染抑制下にあると考えられた中国でも感染再拡大の傾向にあります。この為、JPマイツ通信2020年7月号、9月号、11月号等での既報の通り[i]、一時、緩和されつつあった中国への入国政策は、後述の通り、再度厳格化されています。本稿では中国政府の現行の水際対策とビザ政策及びその取得フロー、2021年1月14日以降より緊急事態解除宣言まで一時停止の予定となっているビジネストラック・レジデンストラック[ii]について説明します。
1. 中国政府の現行の水際対策及びビザ政策
中国政府の水際対策は、原則的には、コロナウィルスの感染状況の如何を問わず枠組み自体は変化させず、入国の前提となるビザ発給を感染状況に併せて抑制/緩和により調整しています。すなわち、現状は、有効な居留許可証を有しない駐在員や新規駐在員(以下、“新規駐在員等”と表記)、及び出張者に対しては省級部門による特別招聘状の発給を調整(実質停止調整)し、入国を厳格に抑制しています。
更に、日本側での手続きが不要且つ随時に(再)入国可能な有効な居留許可証を有する日本国籍者には、後述のレジデンストラックにより14日間の隔離措置を採っていますが、昨今の中国国内の感染拡大を受け、北京市、広州市などのように隔離期間を21日間に延長(所謂“14+7”措置、14日間の集中観察期間後に7日間を社区(居住地)等で隔離)する地域も増えつつあります[iii]。
2. 日中間のビジネストラック・レジデンストラック:
(1) 枠組み及び、現状の留意事項
Ø ビジネストラック:ビジネストラック利用者=出張者の訪中フローは、下図の通りですが、更に査証(Mビザ)取得の前段階に、省級部門の発行する特別招聘状が必要となります(右図(注1)が該当。またビザ取得フローは、「3.」に後述)。
Ø レジデンストラック:同様に、新規駐在員等は上図の査証(Zビザ[iv])申請前に特別招聘状の発給が必要となります(ビジネストラックと同様)。そして、新規駐在員等も有効な居留許可証を有する駐在員も共に、レジデンストラックの適用を受け、中国への入国後14日間の隔離措置が講じられますが、前述の通り、地域により隔離期間が延長されている状況です。
3. 有効な居留許可証を有しない駐在員や出張者の各種ビザ取得フロー
新規駐在員等や出張者は、以下フローによる各種ビザを取得後に、上述の枠組みに沿って(再)入国します。
【居留許可証/工作許可証を失効した駐在員&新規駐在員&出張者のビザ取得フロー】[v]
4. その他留意事項
中国への入国・ビザ政策は、コロナウィルス感染状況により、前述の通り実務的対応により入国調整されており、また各種の最新情報・動向の入手・把握が求められます。例えば、2021年1月10日以降、指定検査機関リストが更新(減少)されています[vii]。また昨年12月以降、中国への(再)入国時にはダブル陰性証明や健康コードの取得[viii]が必要とされるなども、併せてご留意ください。
[i] 既往の再入国政策や同フロー、申請時の必要資料等の詳細はJPマイツ通信(2020年3月~9月号)や過去のニュースレター(各マイツ通信ほか)をご参照願いたい。右記URLの通り。URL: https://myts.co.jpnewsletter/index.html
[ii] ビジネストラック・レジデンストラックの詳細は外務省HPの下記URLを参照のこと。
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/page24_001212.htm
[iii] 北京市・広州市の21日間の隔離政策については、下記URLを参照のこと。URL:http://whlyj.beijing.gov.cn/zwgk/xwzx/202101/t20210106_2199289.html (北京市)
URL: http://www.gd.gov.cn/gdywdt/zwzt/yqfk/fbh/content/post_3169337.html (広州市)
[iv] 実務的には、現地法人所在地当局に査証種類(Zビザ/Mビザ等)を事前確認することが望ましい。
[v] 従来、居留許可証は失効したものの工作許可証を更新済の場合、特別招聘状の取得は不要とされていたが、下記「ビザの受理範囲と条件の部分的な調整に於けるお知らせ (20201102)」以降、当該ケースでも特別招聘状の取得が必要となり、注意を要する。
URL:https://bio.visaforchina.org/TYO2_JP/generalinformation/news/283431.shtml
[vi] 但し、実務的にはビザセンターHPより申請する。下記URL等をご参照願いたい。
URL:https://bio.visaforchina.org/TYO2_JP/generalinformation/news/283426.shtml
[vii]直近の指定検査機関リストは下記URLを参照のこと。
[viii] ダブル陰性証明や健康コードに関しては右記URLを参照のこと。URL:http://www.china-embassy.or.jp/jpn/tztgs/t1836108.htm
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