PDF版はこちら →華南通信 2024年12月号
中国政府は、適正な納税を推進するため、納税信用評価制度を導入しています。納税信用が高い納税者に対しては増値税専用発票や普通発票の取得優遇などの奨励措置を設けています。
2024年の納税信用評価には、以下のような新しい変更点があります。
一、設立して12か月が経過した新設納税者は、いつでも再評価の申請を行うことができる。
【変更前】：納税信用管理期間が評価年度に満たないが12か月を超える納税者は、2023年3月または9月に納税信用の再評価申請を行うことができ、税務機関は4月または10月に過去12か月の納税信用状況に基づいて評価結果を決定し、自己査定サービスを提供していた。
＜政策根拠＞：国家税務総局による2023年「便民税務春風行動」の意見（税総納服発【2023】1号）
【変更後】：納税信用管理が12か月を超えたが、評価年度に満たない納税者は、納税信用の再評価を申請することができる。税務機関は翌月、過去12か月の納税信用状況に基づいて信用評価を決定し、新設事業者が迅速に信用資産を蓄積できるようにサポートする。
＜政策根拠＞：国家税務総局による2024年「便民税務春風行動」の意見（税総納服発【2024】19号）
二、企業が過去3つの評価年度で非定期的な行動※をしておらず、前年度の評価がA級であった場合、過去の評価年度に連続してA級であれば、初期評価スコアは90+N点とされる。連続してA級の評価を受けた納税者は、初期スコアが累積して上昇するが、最高でも100点を超えることはない。ただし、過去3年間に非定期的な行動がなく、かつ前年度がA級でない場合、初期スコアは90点から始まる。
【変更前】：納税者が過去3つの評価年度で非定期的な行動情報を持っていない場合、評価は90点から始まっていた。
＜政策根拠＞：国家税務総局の納税信用管理に関する公告（国家税務総局公告2020年第15号）
【変更後】：納税信用がA級の納税者は、次年度のスコアが1点上がり、連続してA級に評価されている場合は累積で上昇する（初期スコアは最高100点まで）。A級の納税者の許容範囲を広げるための措置。
＜政策根拠＞：国家税務総局による2024年「便民税務春風行動」の意見（税総納服発【2024】19号）
※非定期的な行動：通常定期的に行われない納税事項や行動。例えば資産の売却や一時収入、非貨幣性取引などが含まれます。
