【2025年11月】日系中国工場の役割変化と今後の活用術

PDF版はこちら →上海通信 2025年11月号

 

昨今、世界的な貿易環境の激変により、日系企業の皆様においても中国の現地工場をどう活用し
ていくかが重点課題の一つとなっています。各企業における中国工場の位置づけ、時代の変化に応じた役割などを改めて整理しつつ、今後のビジネス展開について考察します。

 

第一フェーズ:中国で造り日本へ売る

出典:経済産業省 E-STAT

1990 年代後半~2000 年代にかけて、日系企業の中国進出が加速。安価な労働力と豊富な土地資
源を背景として、低コストで大量生産できる生産拠点として注目された。当時は日本市場への輸出拠点とした役割を中心に考えられていた。

 

第二フェーズ:中国で造り中国へ売る
2000 年代後半ぐらいから、中国経済の拡大と中間層の所得向上により、世界最大の市場として消費が急拡大。日系企業の中国工場は、日本への輸出拠点から中国国内市場向けの生産拠点へとシフトが加速。並行して、現地化や中国マーケット向けの商品開発なども強化された。

 

第三フェーズ:中国で造り世界へ売る
2020 年代に入り、中国経済の減速や賃金上昇を背景として中国工場の拠点性、役割も大きく変化していく。引き続き中国市場への販売を継続しつつ、世界最大のサプライチェーンを活かし中国から欧州、ASEAN など世界各地への輸出拠点として、グローバル共有網の中核を担う存在へと変わりつつある。

 

2025 年現在は、上記第三フェーズに位置すると考えられます。弊社への問い合わせについても、中国工場の生産品を世界各地へ輸出したい、販売ルートを確立したい、そういったニーズが高まっていると感じます。
マイツグループの持つ上海市通関当局とのコネクションを活用いただき、中国工場の更なる活用術をご検討ください。