PDF版はこちら →上海通信 2024年12月号
中国との貿易活動を行うにあたり、重要な要素としてHSコードの分類作業がありますが、企業側の認識と当局の判断において相違が発生するケースも多く、政府当局がどういった考え方に基づいて決定しているか、背景なども含めて情報共有させていただきます。
★コードについて
HSコードは国際的な枠組み（HS条約）を基に決定されます。具体的には8～10桁で構成されており、うち1～6桁がHS条約と一致、その他は中国国内ルールに基づき決定されます。HSコードによりカテゴリー分類され、輸入税率や通関検査時の管理規則などへも影響します。中国国内ルールについては中華人民共和国輸出入税則など複数存在します。またルールにおいて細かく取り決めされていない品目に関しては、随時「用途による分類」或いは「主要成分による分類」「分析作業を経て含有量などによる分類」を行っています。こういった複雑な判定基準が存在しており、企業認識との相違が発生していると考えられます。
実際の分類事例：ミルクの場合
➀生ミルクを濃縮或いは乾燥させ、（微量であっても）砂糖など添加物が加わった場合、→0402と判定。
②砂糖、カカオ脂、粉乳などにより作られた場合、→1704と判定。
③麦芽エキスなど含ませ乳幼児用とする場合、→1901と判定。
④脱脂ココアの含有量が5％を超えるケース、→1806と判定。
実際の分類事例：ヤシ油の場合
➀科学的な変性加工をしていない油の場合、→1513と判定。
②ヤシ油で特定の化学変化を経た場合、→1516と判定。
③加工が進み美容用製品などの用途となる場合、→3304と判定。
現実問題として、自社内にて適切なHSコード分類を行うのはハードルが高く、かといって手続き代行業者などを利用しても確かな回答を得ることは難しいと思われます。
マイツでは、上海市通関当局との直接連携により安心＆確実なサービス提供を行っております。ＨＳコード分類に関するお問い合わせはもちろん、貿易ビジネス全般に関するお手伝いが可能となっており、お気軽にご相談ください。
