【2024年8月】税務自主検査報告書を扱う際の注意点

 

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中国の税務デジタル化プロジェクトが始動し、「金税IV」システムがアップグレード・導入されたことにより、税務局は企業の経営状況や納税状況をより深く把握するようになりました。税務申告完了後、企業の財務担当者は税務局からの連絡を受け、総合的な税務自主検査報告書の提出が求められる場合があります。 また、同時に報告書の提出期限が明示されることがあります。企業財務担当者の対応プロセスの注意点について、下記にて紹介します。

一.財務担当者はまず、税務局の担当者へ連絡し、自主検査報告書の提出目的や所轄税務局の要求事項を把握します。

二. 財務担当者は経営層に報告し、同時に税務自主検査作業を実施します。自主検査作業は、以下の事項をメインに行います。

  1. 自主点検報告書の対象期間を明確にし、その期間のあらゆる種類の税務事項(増値税、消費税、関税、法人所得税、個人所得税、源泉所得税、印紙税、固定資産税など)を整理します。
  2. 所得申告に漏れがないか、税率が正しく適用されているか確認します。 例えば、販売とサービス提供による所得、その他の事業による所得、各種資産の処分による所得、投資所得などが含まれます。
  3. 経費の妥当性、損金算入の状況を確認します。 例えば、損金算入が可能な請求書や関連証憑を全て入手しているか。 従業員の手当、資産処分、手数料などの損金算入が税法に準拠しているか。 各種資産の耐用年数が税法に準拠しているか。
  4. 税制優遇措置の適用。ハイテク企業、研究開発費追加控除など税法の規定に準拠しているか確認します。
  5. 関税、個人所得税、印紙税、固定資産税の課税標準に漏れがないか確認します。

 

三. 自主検査報告書のドラフトを作成し、所轄税務局に事前に内容を提示して確認を経てから、正式な自主検査報告書を作成します。

自主検査報告書の作成において、企業は会計事務所などの専門機関にサポートを求めることができます。上海マイツでは、税務コンプライアンスの確認、税務リスク評価、税務自主監査指導などの専門サービスを通じて、企業が税務当局の多様な要請に迅速かつ正確に対応できるよう支援を行っております。