【2022年11月】製造業中小微型企業の税金費用の延期納付が更に4ヵ月延長されました

 

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大家好!蘇州マイツの可児です。国慶節も明けて本格的に秋も深まりそろそろ年度末が近づいてまいりました。今年度は厳しいコロナ防疫対策もあり資金繰りが潤滑でない企業も少なくないかもしれませんが、国家税務総局、財政部は「製造業中小微型企業の一部税金費用の延期納付の継続実施に関する事項についての公告」【2022年第17号】を9月14日に発行しました。これは国家が企業に提供する「無利息貸付」に相当すると国家税務総局税務新聞に発表されています。

そもそも継続実施とあるように、【2021年第30号】で3ヶ月、【2022年第2号】で6ヵ月延期されてきた税金について、更に4ヵ月の延長期間を与えるものになります。

 

内容

(一)前回までの公告により各税金費用の50%を延期納付している製造業中型企業及び各税金費用の100%を延期納付している製造業小微型企業は、その延期納付している税金費用について更に期限が4ヵ月延長されました。

(二)製造業中型企業とは、年間売上高が2,000万元以上4億元未満である製造型企業を指します。製造業小微型企業とは、年間売上高が2,000万元未満である製造型企業を指します。

(三)今回の公告で延長の対象となる税金費用は、所属期間が2021年11月、12月、2022年2月、3月、4月、5月、6月(月毎に納付)又は2021年第3四半期、2022年第1、2四半期(四半期毎に納付)の企業所得税、個人所得税、国内増値税、国内消費税及び附加徴収の都市維持建設税、教育費附加、地方教育費附加です。源泉徴収、代理徴収及び税務機関に発票の代理発行を申請する際に納付する税金費用を含みません。なお、前回までの公告で延期納付されていた2021年10月及び2022年1月分については、再延長の対象とはならず今年8月に納税されています。

(四)今回の公告が発行される9月14日以前に納付した2021年11月及び2022年2月分の税金費用については、返還の申請を行うことによって再延長の対象とすることが可能です。

 

解説

一連の公告による税金費用の延期納付は、年間売上高4億人民元未満の製造業なら対象となることから、多くの企業が享受しています。また、企業所得税のみならず増値税や附加税も対象となるため、資金繰りにとって比較的多額の好影響がもたらされていると存じます。国家税務局が「無利息貸付」と言うように、運転資金のひっ迫は緩和されますし、余剰となるなら定期預金等に預けるのもよいかと考えます。

但し、今回の公告では、延期納付される税金費用は前回までの公告により延期されてきた部分に留まりました。公告の解読にも、2022年8月(実際には7月から)及び第3四半期以降の税金費用については正常に申告納付すべきと明記されています。よって、私見ですが今回の公告で4ヵ月延長された後は再度の延長はもうないのではないかと予想します。

再延長された税金費用は2023年1月から順次期限が到来します。それまでの間は資金を有効利用すれば良いのですが、来年1月からは延長されてきた税金費用に加えて正常納付の当該月又は四半期の税金費用も納付しなければなりません。考慮の上、資金繰りの計画を立てて頂きますようご留意ください。

 

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