PDF版はこちら → 上海通信 2022年10月号
2022年6月以降、上海市では大規模な都市ロックダウンは現在発生していないものの、陽性者や濃厚接触者などの発生に伴うリスクエリア区画の封鎖管理実施は今なお頻繁に続いております。多くの企業が通常業務を再開されておりますが、いつどのタイミングでビルやアパートが封鎖され、リモートワークを余儀なくされるか分かりません。そんな中、予め準備をしておきたいのが電子印鑑(現地法人会社印の電子版)です。今回は封鎖管理の下、社印が必要になった状況でも困らないための電子印鑑についてご紹介します。
1.電子印鑑の有効性について
「上海市電子印章管理暫行弁法」によりますと、電子印鑑は会社の営業許可証や印鑑の実物画像と紐付けされており、各種類の電子文書の完全性、真実性を実現するために図形化した電子署名データであり、電子署名や手書きの署名、捺印と同等の効力を持つとされています。活用範囲も実際の社印に準ずるとされており、電子版の公文書、証明書、協議書等の捺印に使用できます(所定のミニプログラムまたはアプリケーションでのみ使用可能)。
2.電子印鑑の取得手順
WeChat(微信)またはアリペイ(支付宝)の電子営業許可証ミニプログラム(電子営業執照小程序)またはアプリケーションから電子印鑑の取得を申請しますが、事前に電子版営業許可証を取得しておく必要があります。電子版営業許可証を取得できれば、当該ミニプログラム下の「その他応用機能(其它応用)」にて「電子印鑑-印鑑受け取り(領取印章)」を選択、検証が完了すると電子印鑑をダウンロードできます。電子版営業許可証はすべて中国語での操作となり、会社情報の入力などの作業も必要となるため、会社の管理部の方に操作をお願いされることをお勧めします。
3.電子印鑑の安全性
電子印鑑は上記ミニプログラムまたはアプリケーションを通じて使用できますが、誰でも自由に使用できるわけではなく、法定代表者から権限を授与された方に限られます。使用者を限定することで、社内での電子印鑑の乱用防止について一定の効果は期待できますが、他方で、会社内外で印影を偽造される等のリスクは存在しますので、普段は手書きの署名、実物「会社印」の捺印を行い、ロックダウン時等において緊急性を有する状況においてのみ、電子印鑑を使用する等の状況に応じた使い分けを行うことが必要と考えられます。
参考URL:https://dzyz.sh.gov.cn/login?code=105
http://m.sh.bendibao.com/mip/247504.html
上記は自社で対応できる項目の一例ですが、弊社ではリモートワーク環境構築支援業務を行っております。今後のリモートワーク体制・仕組み作りでお悩みのお客様は上海マイツにご相談ください。
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