派遣従業員の給与及び福利費の計算ベースについて、上海税務局は滬国税所(2012)1号通達で明確にしました。この規定は2011年度の企業所得税の確定申告から適用されますのでご注意下さい。
1. 派遣会社と雇用会社の損金算入者
原 則:支払い者が損金算入。
雇用会社が派遣従業員に給料を支払った場合、雇用会社の給与として損金算入できます。
一方、雇用会社が派遣会社を経由して派遣従業員に支払った場合に派遣会社の給与として損金
算入します。
同時に雇用会社は派遣会社が発行したインボイスにより損金算入できます。
2.福利費などの算入限度額
原 則:派遣会社が支払うか雇用会社が支払うかを問わず、派遣従業員の給与は雇用会社の福利費などの
損金算入限度額までが税務上の損金。
この通達は派遣会社が給与を支払い雇用会社が福利費用を負担する場合に雇用会社において損
金算入できないという問題を解決しました。
しかし、税務規定に適合する立替形式にしない又は雇用会社と計算ベースについて協議しない場合
派遣会社が発生した福利支出、例えば、誕生日の贈答品や健康診断など費用は損金算入できませ
ん。
損金算入の為の手続:
雇用会社は確定申告の際に派遣契約書、インボイス及び『統計表』を提出。
この内、インボイスの中に『統計表』と一致する立替給与及び社会保険の金額が明記
されていなければなりません。
注 意 点:国税函「2009」3号により、給与というのは会社が負担する社会保険及び住宅積立金を含みませ
んが、個人負担部分の社会保険などが入るかどうか明記しておりません。
従って、派遣会社がインボイスで個人負担分社会保険などを給与とすれば、雇用会社の福利費用
計算ベースが高くなります。逆に、インボイスで個人負担分社会保険を社会保険とすれば、雇用会
社の福利費用計算ベースが低くなります。