中国第11期全国人民代表大会(全人代)常務委第21回会議で6月30日、個人所得税法改正に関する決定が採択され、胡錦涛国家主席が第48号主席令に署名し、公布され、9月1日から施行されます。
改正点は下記の5点です:
① 所得控除額が2,000人民元/月から3,500人民元/月に引き上げ
② 納税期限が次月の7日までから15日までに延長
③ 賃金・給与所得者に対する税率構造が9段階から7段階へ。
④ 15%と40%の税率が削除され、また、最低税率が5%から3%に引き下げ
⑤ 個人事業主等の最も低い税率の第1級の適用幅が年間課税所得5,000人民元以下から15,000人民元
以下に引き上げ
改正後の給与所得に対する個人所得税税率表(個人所得税は自己負担)
単位:人民元
級数
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課税所得額
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税率
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速算控除額
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1
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1,500以下
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3%
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0
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2
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1,500超 ~ 4,500以下
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10%
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105
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3
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4,500超 ~ 9,000以下
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20%
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555
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4
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9,000超 ~ 35,000以下
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25%
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1,005
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5
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35,000超 ~ 55,000以下
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30%
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2,755
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6
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55,000超 ~ 80,000以下
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35%
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5,505
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7
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80,000 超
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45%
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13,505
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計算の仕方は、以下となります。
(a)課税所得額=給与総額-個人負担社会保険(基本部分のみ)-3,500
(b)税額=(a)課税所得額×対応する税率-速算控除額
例:中国籍従業員の四金控除後の給与収入が10,000人民元の場合
課税所得額は10,000-3,500=6,500人民元 ⇒税率20% 速算控除555
税額は(10,000-3,500)×20%-555=745人民元となります。
外国籍人員に対する基礎控除は9月1日までに個人所得税実施条例上の付加金額が改正されなければ、現行の4,800元から6,300元になります(現行個人所得税実施条例上外国籍人員に対する付加調整額は2,800元)。
2008年度の個人所得税の改正時には付加調整額がそれ以前の3,200元から2,800元に変更された経緯もあり、今後の推移が注目されます。