[2008年6月号]上場株式等に関する税制改正について ~ 譲渡所得と配当所得 ~

 平成20年度の税制改正により、平成211月以降の上場株式等に係る譲渡所得等及び上場株式等に係る配当等の軽減税率の特例は、一定の限度額に適用範囲が縮小されます。そして新たに上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当所得との間の損益通算の特例が創設されました。
 

1)上場株式等の譲渡所得等及び上場株式等の配当等に対する税率

 

所得区分
 

平成201231日まで

平成2111日から平成221231日まで
 

上場株式等に係る
に対する税率

税率10
 (所得税7% + 住民税3%)

譲渡所得等の金額の合計額が
500万円以下の者
 

税率10

譲渡所得等の金額の合計額が
500万円を超える者

500万円以下の部分
税率10

500万円超える部分
税率20
(所得税15+
住民税5
 

上場株式等に係る
配当等に対する税率
(注1
 
 

税率10
(所得税7+住民税3%)
(注2)   
 

配当等の金額の合計額が
100万円以下の者(注23
 
 

税率10
 

配当等の金額の合計額が
100万円を超える者(注3
 
 

100万円以下の部分
(注4
税率10
 

100万円超える部分
(注4
税率20
(所得税15+住民税5%)
 

(注1 一定の大口株主が支払いを受ける配当等を除きます。
(注2 総合課税と申告不要との選択ができます。
(注3 総合課税と申告分離課税(配当控除無し)との選択ができます。
(注4 申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得の金額に限ります。
 

2)上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当等との間の損益通算の特例の創設
 

 平成21年分以後の所得税について、
   ・ その年分の上場株式等の譲渡所得等の金額の計算上生じた損失があるとき、
   ・ 又は、その年の前年以前3年内の各年に生じた上場株式等の譲渡損失の金額があるとき、
  その損失の金額のうち一定の金額を申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得の金額から控除することができます。