日中クロスボーダーM&Aコラム
Q:日中間のM&Aにおいて、日本企業が税務査定で注意すべき点を教えてください?
1.税務規則を遵守し、申告と納税を行う
持分譲渡契約書を締結した後は、関連の税務規則を遵守し、脱税を避けるために譲渡取引の情報を税務当局に正直に申告し、定められた期限・場所と方法で納付すべきあらゆる税金を納める必要があります。
また、管轄税務局は譲渡損を認める場合、企業所得税の納付は必要ありません。
2.持分譲渡価額の合理性について
持分譲渡価格は、買い手と売り手の交渉後、持分譲渡契約書において決定されますが、税務当局は、持分譲渡価格が低いと判断した場合、その価格の公正価値を評価し、持分譲渡における課税所得額を調整する権利を有します。
よって、持分譲渡価格が著しく低い場合、税務当局から目を付けられる可能性があります。
3.現地法人又はその他の代理人に、税務当局との連絡を委託する
税務当局は、譲渡の目的やその他の取引情報に対して質問し、関連書類の提出を求めることがあります。通常、税務当局は日本企業とは直接コンタクトを取らず、現地法人や非居住者企業の代理人に連絡することとなっています。
この場合、現地法人や代理人は、税務当局からの質問や資料提出要求を速やかに行うために、税務当局とのコミュニケーションを図り、税務査定に積極的に協力することが大事となります。
4.専門家の助言を求める
複雑で重要な日中間の譲渡案件に関しては、税務査定の実務において予想以上に多くの細かい問題が発生する可能性がありますので、税務の専門家からのアドバイスを踏まえて進めたほうが、適切な税務手続きを実施することができると思われます。
要するに、持分譲渡を行う時には、法的リスクや経済的損失が起こってしまわないために、税務査定のあらゆる面に注意を払うことが重要です。