【日中クロスボーダーM&Aコラム】中国の資産評価について

日中クロスボーダーM&Aコラム

 

「中国の資産評価について

 

Q:資産評価について、「専門資格業者のみが資産評価できる」と聞きましたが、本当ですか?)

 

A:中国では、資格を有する資産評価会社の資産評価報告書を求められる場合があります。

また、資産評価を行う際には、様々な評価方法の中から最も事案に適すると判断できる方法を選択して評価します。

解説:

中国のM&Aでは、①売買価格の決定や②中国の税務当局が持分譲渡価額の妥当性を確認する為に、資産評価報告書を求めることがあります。

一方、任意の資産評価では、必ずしも資産評価会社に依頼する必要はなく、マイツグループが対応するケースもあります。

M&Aでは通常、企業の価値に基づいて売却価格を決定しますが、企業価値とは、事業から創出される価値(事業価値)に非事業用資産の価値を含めた企業全体の価値と言えます。
そして、資産評価を行う際には、様々な評価方法の中から最も事案に適すると判断できる方法を選択して評価します。

その評価方法にはいくつかのアプローチがあり、主要なものとして以下が挙げられます。

●コストアプローチ(修正簿価純資産法=時価純資産):資産の価値に着目
●インカムアプローチ(DCF法等):将来生み出される収益やキャッシュフローに着目
●マーケットアプローチ(市場株価法、類似会社比準法等):株式市場や第三者取引における価格を採用

 

MAの実務では、上記の単一アプローチで企業価値を算出するだけでなく、折衷法や、比較的規模が小さい企業の場合には“年買法”(時価純資産+利益実績×3~5年)と呼ばれる手法で企業価値を算出するケースもあります。

このように、唯一絶対的な評価方法はなく、様々な評価方法の中から、売手、買手に適すると判断できるものを選択して評価することになります。