【日中クロスボーダーM&Aコラム】譲渡側の価格交渉の仕方

日中クロスボーダーM&Aコラム

 

「譲渡側の価格交渉の仕方」

 

Q:日中間のM&Aでは譲渡側の持分譲渡価格の交渉はどのように進めたらよいですか?

 

A:以下のアプローチで臨むことが効果的です。

解説:

日中間のM&Aにおいて譲渡側が持分譲渡価格を引き上げるためには、以下を意識したアプローチで交渉に臨むことが効果的です。

1.貴社の対象企業を高く評価する買手企業を探す

2.買手企業が求める対象企業の情報を適時・適切に開示する

3.複数の買手企業候補を探して比較する

以下、それぞれについて説明します。

 

1.貴社の対象企業を高く評価する買手企業を探す

事業拡大を考えている買手企業が、M&A譲渡案件、つまり貴社の企業情報に接したとき、伸るか反るかの判断は、買手企業が、「この対象企業は取り込む価値がある企業だ!」と感じるかどうかで決まります。 そして、「どうしても欲しいもの」には「財布のひもが緩む」のはM&Aでも同じです。

よって、貴社の対象企業の強み・弱み・特徴・独自性・優位性・将来性などを客観的に分析して、「貴社の譲渡対象企業を強く求めてくるであろう」と考えられる買手企業を絞り込んで丁寧にアプローチしていくことが肝要です。

 

2.買手企業が求める対象企業の情報を適時・適切に開示する

買手企業が興味を示したときは譲渡対象企業のことを「よく知りたい」とあらゆる情報に飢えているときです。 このとき、対象企業の強み・弱み・特徴・独自性・優位性・将来性などを分かりやすくまとめたIM(Information Memorandum /企業概要書)を速やかに提示して、買手企業の買収意欲が更に高まるように動くことが重要です。 さらに、IM(企業概要書)提示後に買手企業から求められた追加質問や追加情報の依頼にクイックに対応することも大切です。

 

3.複数の買手企業を探して比較する

買手企業の探索(ソーシング)に当たっては極力複数の買手企業を探します。 これは、貴社にとってより有利な選択肢が得られるだけでなく、買手企業としても「まず低価格から入ろう」ではなく、「競争相手がいるならそれなりの価格を出そう」となるからです。