
PDF版はこちら →ひろよしくんのみみ 2026年3月号
~社員を成長させ、会社が発展する方法はこれだ!!~
先月の衆議院総選挙は自民党の圧勝で終わりました。各党のマニフェストが消費税減税を掲げ、「チームみらい」以外ほとんど同じ。最後は自民党が高市早苗首相を継続させるかどうかの審判に持って行ったことと、SNSの活用が抜群にうまかった事が勝利要因ではないでしょうか?政策が同じであれば人物を見て投票!!自分が納得するまで勉強し国会で答弁する、そういう人柄を市民が見て自民党への流れを作ったのだと思います。
やはり政治も企業も最後は人!!ここ数年人的資本経営が言われるようになりましたが、徹底した人本主義を貫き急成長しているロート製薬を題材に今月は勉強したいと思います。ロート製薬というと、目薬と胃腸薬のパンシロンが頭に浮かびますが、最近は化粧品、内服・食品、メディカルの3事業を展開し1999年山田会長が社長に就任してから、売上を6倍、営業利益を8倍に成長させています。
ロート製薬の沿革は、以下の通りです。
| 年 度 | 主な出来事 |
| 1899年2月 | 大阪で前身となる信天堂山田安民薬房を設立。胃腸薬を発売。 (ロート製薬も100年企業なのですね!!) |
| 1909年4月 | 点眼薬を発売 |
| 1975年8月 | 米メンソレータム社から商標専用使用権を取得 |
| 1988年4月 | メンソレータム社を買収 |
| 1991年10月 | 中国広東省にメンソレータム中国を設立 メンソレータム社と合同で海外展開 |
| 1999年6月 | 山田邦雄社長就任(現在会長)。関節痛の健康食品を販売 |
| 2001年6月 | 米国から技術導入で機能性化粧品「オバジ」を発売。化粧品分野に本格参入 |
| 2004年8月 | 肌の化粧品「肌研(ハダラボ)」を発売 |
| 2020年4月 | 社員の起業を支援する「明日ニハ」プロジェクト開始 |
ロート製薬の業績は次の通りです。
5期の経営状況(単位:百万円)
| 項目 | 21年3月 | 22年3月 | 23年3月 | 24年3月 | 25年3月 |
| 売上高 | 181,287 | 199,646 | 238,664 | 270,840 | 308,625 |
| 経常利益 |
23,910 | 28,750 | 35,568 | 42,434 | 40,430 |
| 総資産 | 226,149 | 274,876 | 309,677 | 346,175 | 421,875 |
| 総資産経常利益率 | 10.6% | 10.5% | 11.5% | 12.3% | 9.6% |
| 売上高経常利益率 |
13.2% | 14.4% | 14.9% | 15.7% | 13.1% |
| 総資産回転率 |
0.80回 | 0.73回 | 0.77回 | 0.78回 | 0.73回 |
投資するかどうかを決める総資産経常利益率(投資判断指標は5%)は何と平均で10%越え!!その要因は売上高経常利益率が13%以上ある事です!!私も色々な企業を経営分析していますが、こんな比率を出す企業は初めてです。
この素晴らしい数値を出しているのは、山田会長の手腕です。山田会長が唱える経営3か条を紹介します。
この素晴らしい数値を出しているのは、山田会長の手腕です。山田会長が唱える経営3か条を紹介します。
| 1 | 「企業は生物と同じ」「選択と集中では思考が広がらない」 |
| 2 | 「新しい試みは3割当たればいい」で自主性を育てる |
| 3 |
経営者の仕事の半分は、社員と活躍の機会のマッチング |
- 1.生物には多様な臓器があって、その臓器が機能は違うのに協働して全体を問題のないように動かしている。⇒無駄と思われる臓器にも必ず必要とされる役割がある。⇒例えばゴルフは上半身を使って打つが、実際には下半身で打つ。選択と集中が強くなり過ぎると、その分野に目が行きすぎ、社員の発想を狭くする。
- 2.色々な挑戦をして、もし上手く行かなくても種が出来る。その種を増やして掛け合わせていくと次のビジネスにつながる事がある。事業の成功は3割当たれば十分。食品分野、化粧品とメディカル分野は相通じる点があり、その種が新しい製品を生み出してきた。
- 3.山田会長が特に力を入れているのが、社員の活性化。彼らの意見を可能な限り吸い上げる事。ロート製薬では、役員室は無く、山田会長も社員と同じ職場に居て彼らのアイデアを聞いたりヒントを与えたりしている。
03年印刷会社から転職してきた社員が、「肌に働きかける成分を多く含む化粧品が受け入れられている」と提案してきたのがきっかけで、「肌研(ハダラボ)」が生まれる。
それ以外に、社員ファーストとして2016年に生まれたのがWジョブ制度で、現在の所属部署とは違う部署で働ける社内兼業制度を制定。同時に社外チャレンジワーク制度も導入し、平日の夜や土日は他社で働くことを認めている。2000年代にはARK(A:明日の R:ロートを K:考える)プロジェクトも発足した。
如何でしょうか?本当にユニークな制度を取り入れていると感心しきりです。それがロート製薬の高収益を生んでいるのではないでしょうか。
