PDF版はこちら →ひろよしくんのみみ 2025年9月号
~企業の成長を継続できる方法はこれだ!!~
8月15日、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領がアラスカにおいてウクライナ問題で会談。被害国のウクライナを入れず、話を進めるやり方は第二次世界大戦のヤルタ会談と同じような雰囲気がするのですが、皆さんの考えは如何でしょうか?
「論語」為政の一説に、故(ふる)きを温(たず)ね、新しきを知る。「温故知新」(昔の知識や経験を研究し、新しい知識や道理を発見する。)という言葉があります。この中国の故事成語を社名にした、株式会社温故知新について今月は研究してみたいと思います。
株式会社温故知新とファウンダー松山知樹氏のプロフィールは、以下の通りです。
年 度 | 沿 革 |
1973年4月 | アメリカデトロイトで生まれ、18歳まで大阪で生活 |
1998年 | 東京大学大学院 都市工学修士課程卒業。 ㈱ボストンコンサルティング・グループに入社 |
2000年 | ㈱ドリームインキュベータの創業に参画 |
2005年 | ㈱星野リゾート入社。2007年より取締役 |
2011年2月 | ㈱温故知新設立(一人会社)。1か月後に東日本大震災が発生。予定のプロジェクトは全て白紙。以後数年間は復興プロジェクトを手掛ける |
2015年12月 | 愛媛県松山市に初めての運営施設「瀬戸内リゾート青凪」をオープン |
2018年8月 |
長崎県壱岐市に二つ目の運営施設「壱岐リゾート海里村上」をオープン |
2021年7月 |
東京オリンピックに合わせて、東京・九段ハウスにて期間限定でレストラン「maison owl prologue」をオープン |
2022年3月 |
岡山県玉野市の玉野競輪場内に「KEIRIN HOTEL10」をグランドオープン |
2022年5月 |
英ファイナンシャル・タイムズ調査のアジア太平洋急成長企業ベスト500にランクイン。同月山口県宇部市にて、「maison owl」を開業 |
2022年8月 |
長崎県五島(福江島)にて、「五島リゾートray」をグランドオープン。京都嵐山で「MUNI KYOTO」の運営を開始 |
2023年3月 |
箱根ラリック美術館併設の複合型レストラン「Hakone Emoa Terrace by温故知新」を開業 |
2023年9月 |
礼文島「三井観光ホテル」を買収 |
2024年1月 |
大阪心斎橋で世界初のオフィシャル・シャンパーニュ・ホテル「Cuvee J2 Hotel Osaka」を開業 |
2024年4月 |
雲仙の超高級旅館「半水盧」の運営受託 |
株式会社温故知新が運営しているホテル・旅館及びレストランは15軒あり、その業績は以下の 通りです。
5期連結経営状況
(単位:百万円)
項目 | 2021年1月 | 2022年1月 | 2023年1月 | 2024年1月 | 2025年1月 |
売上高 | 364.3 | 424.8 | 1,288.0 | 2,328.7 | 3,384.9 |
経常利益 | 36.5 | 19.4 | 49.5 | 38.0 | 43.3 |
総資産 | 442.9 | 560.8 | 688.7 | 1,584.0 | 2,479.7 |
総資産経常利益率 | 8.2% | 3.5% | 7.1% | 2.3% | 1.8% |
売上高経常利益率 | 10.0% | 4.6% | 3.8% | 1.5% | 1.2% |
総資産回転率 | 0.82回 | 0.75回 | 1.87回 | 1.47回 | 1.36回 |
総資産経常利益率は減少傾向にあり、投資に見合う利益が上げられていない点は物足りなさが残り ます。
売上高経常利益率も25年1月期には1.2%とこちらも減少傾向にありますが、受託運営を上手く取り入れ、総資産回転率を高めて企業のバランスをキープしています。
法人設立から14年ほどで、その間に東日本大震災、コロナがあったわけですから、仕方ない点もあります。
松山知樹氏の理念は、感度の高い人がわざわざ行きたくなるような場所を作る事で、「地域の光の小さな伝道者になる事!!」を企業理念としています。
過疎化が進む日本でその地域にスポットを当て、光り輝く世界を作り、地域に貢献し、人をラグジュアリーにさせ、もう一度行きたい場所を自分達の手で作り上げる。
観光立国を目指す日本の中で、日本人の心を豊かにさせる思考が詰まっているような気がしますね!!