【2025年5月】あなたの会社、4F経営しています~??

PDF版はこちら →ひろよしくんのみみ 2024年5月号

 

~ 生き生きとし活気のある会社を作る方法はこれだ!!~

先月17日から日米関税交渉が開始されました。関税を上げるメリットとして、①関税アップによる税収の増加②他国との貿易取引を見直す交渉のツール③国内製造業の雇用の増加が考えられますが、日本に対しては非関税障壁となっている、日本車の安全基準を下げる(下げたとしてもアメ車を選ぶ人はいないと思いますが、、、。)、コメなどの農産品の購入、極東アジアの安全保障の防衛費の積み増しを言ってくるのでしょうか?諸問題に対する日本の立場、アメリカが受けている恩恵をシッカリと説明し、実りある交渉にして頂きたいと思います。


さて、今月号はサントリーと先月末で代表取締役社長を退任しサントリーホールディングスの代表取締役会長に就任した新浪剛史氏にスポットを当てて書きました。

新浪氏は、三菱商事からローソン代表取締役として転籍。その後サントリーHD創業家の佐治信忠氏から、猛烈なアタックを受け、2014年10月サントリー代表取締役に就任しました。

佐治氏の狙いは、サントリーをグローバル企業に進化させたい。その第一歩として、バーボンウイスキーの王者と言われる、ビームを買収した。しかしこのビームとどのようにしてサントリーと融合させるかを考えたとき、自分達のグループ内には人材が居ない。ドメスティックな飲料会社をグローバルな飲料会社に変貌させて欲しい。海外売上比率を50%強まで高めたい!!この目標を達成できるのは貴方しかいない!!と口説かれ、サントリーをグローバル企業に変身させる大役を引き受けました!!

ビーム買収後直近5年間のサントリーの経営指標は次の通りです。

 

5期連結経営状況の比較

(単位:百万円)

  2020年12月 2021年12月 2022年12月 2023年12月 2024年12月
売上高 2,367,632 2,559,223 2,970,138 3,285,110 3,417,949
税引前当期利益 201,042 237,447 261,818 297,426 309,993
HD資本金   70,000 70,000 70,000 70,000 70,000
総資産 4,521,286 4,934,010 5,480,390 6,042,774 6,331,520
総資産税引前利益率 4.44% 4.81% 4.78% 4.92% 4.90%
売上高税引前当期利益率 8.49% 9.27% 8.82% 9.05% 9.07%
総資産回転率 0.52回 0.52回 0.54回 0.54回 0.54回

2021年以降、投下した資産に対する利回りが5%弱(今の預金金利1.25%から考えても素晴らしい企業です)、その要因となる売上高税引前当期利益率は9%前後(製造業であれば5%もあれば御の字です)、総資産回転率も製造業としては0.5回転(製造業であれば0.5回転もあれば素晴らしい企業と言われています)となっており、本当に超優良企業と言えます。

グルーバル化戦略の第一歩となる、サントリーとビームの統合は、当初はビームから、「我々は、バーボンウイスキーの先駆者。日本から口を挟まないで欲しい!!」というのが、ビームの考え!!

サントリーは、「我々も皆さんと同じ飲料メーカー!!製品が我々の命!!品質を安定させるために、まず工場に投資をしていきたい!!」とビームに連絡。この言葉にビームが感動し、一気に融合が進み、社名を、サントリー・グローバル・スピリッツ(SGS)に変更!!

次に、グローバル人材を養成する、キャリアパス制度を構築

期  間 業   務
入社から3年目 日本で基本的な業務を習得する
4年目から7年目 他部署に異動をして異なる環境での成長を体験
8年目から10年目 海外駐在。海外の現場を経験
11年目から14年目 日本に帰任し専門性を高める
15年目から 現地でマネージメント。本部機能を担う

グルーバル化戦略が功を奏し、2013年12月期の売上高は2兆400億円でしたが、2024年12月期では、3兆4,200億円まで増加。(約1.7倍)海外比率も25%から50%を達成!!

そしてこの後は、再度創業家の鳥井信宏氏にバトンタッチをし、佐治信忠会長、新浪会長と役割を分担し、ニューサントリーがスタートします。そして、鳥井信宏氏は、父である3代目社長が提唱したフラット(平静)、フランク(遠慮なく)、フレキシブル(融通が利く)の3Fに、「ファン(Fun)明るく振舞う!!」を付け加え4Fをサントリーのモットーにしたいと考えています。