PDF版はこちら →ひろよしくんのみみ 2025年1月号
~ 激動の時代を切り抜ける方法はこれだ!! ~
皆様明けましておめでとうございます!!今年の干支は「乙巳(きのと・み)」。「乙」は「困難があっても紆余曲折しながら進む。しなやかに伸びる草木」の意味。
「巳」は蛇の脱皮から「再生と変化」!!紆余曲折はあると思いますが、脱皮を繰り返し皆様と一緒にマイツも成長していきたいと思いますので、今年も宜しくお願いします。
昨年は、元旦から能登半島地震、3日には羽田での日航機の炎上事故があり、その後も暗いニュースが多かったので、今年は元気印の企業戦略からスタートしたいと思います。
今月テーマにしたのは、アパホテル。株主は、元谷外志雄会長、「私が社長です!!」で一躍有名になった奥様の芙美子氏、経営を任されている一志社長 兼CEO、マーケティング担当の拓氏(アパグループ専務)のたったの4名。バリバリの家族経営です。
株主は、4名の家族経営の会社ですが、2023年度の売上高1,912億円、営業利益566億円、売上高営業利益率29.6%。
2024年度の予測値ですが、インバウンド客が戻って来た事もあり、売上高は、2,150億円、営業利益650億円、売上高営業利益率30.2%とホテル業界にとってダントツの経営、上場会社と比較しても遜色のない企業経営を展開しています。
外志雄会長と芙美子社長のプロフィール
年 度
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項 目 |
1943年6月 | 外志雄氏、石川県小松市に生まれる |
1947年7月 | 芙美子氏、福井県福井市に生まれる |
1962年3月 | 外志雄氏、石川県小松高等学校卒業後、小松信用金庫(現、はくさん信用金庫)に就職 |
1966年3月 | 芙美子氏、福井県立藤島高等学校卒業後、福井信用金庫に就職。 その後、法政大学人間環境学部、早稲田大学大学院公共経営研究科卒業 |
1970年 | 外志雄氏、芙美子氏結婚 |
1971年 | 外志雄氏、小松信金を退職し、「信金開発株式会社」(現:アパホテル)を設立 |
1976年 | マンション事業を起業。 |
1991年 | 外志雄氏がバブル崩壊前に仕入れた土地の売却益で、バブル崩壊後の土地を仕入、自前経営のアパホテルを展開!!同時に、アパ会員制を導入。ポイントが溜まればキャッシュバック!!現在は2,000万人の会員がいるので、常に需要は見込める状態を作った。 |
1994年 | 芙美子氏がアパホテルの社長に就任。「私が社長です!!」のキャッチコピー、派手な帽子とメディア露出で一躍アパホテルの名前を全国に知らしめる。 |
ホテルの収益は、「所有」、「経営」、「運営」の3つの要素が源泉になります。通常は3要素が各会社に分散しますが、アパホテルはこの3要素全てを自前主義で行っているので、高収益企業になっています。
前述したバブル時代前後で上手く売り抜け稼いだ資金を利用して、自己所有で土地を仕入、ホテルを建築(買収)した事が成功要因!!
外志雄氏は、創業50年を迎えた2022年4月に経営のバトンを一志氏に渡し、20億円と400室以下のホテルの建築、買収権限を付与。
外志雄氏は、企業の成長を三段階に分けた「企業三段階成長論」を掲げてきました。
企業成長3段階論
第1段階 | 信用累積型経営時代=需要を創造し雇用を創出して利益を上げる時代(外志雄氏は、この時代を創業から10年と考えています) |
第2段階 | 資産拡大時代=信用を得れば、融資を受け資産を購入し、資産を増やす時代 |
第3段階 | 自己増殖時代=減価償却と利益で資金を捻出し次の投資を行っても、借入は殆ど必要無く利益は出せる |
そして、これだけの戦略に止まらず、外志雄氏はITによる徹底したコスト削減策を展開。事前にオンライン決済をした宿泊客にはQRコードをかざすだけでチェックインができ、ルームキーを投函するエクスプレスチェックアウトポストシステムを導入し徹底的なDX化を図っています。
内部統制やリスクと、どこを向いているか分からない後向き経営でなく、これだけの経営を出来るのはワンマン経営、家族経営のお陰と言い放っています。