PDF版はこちら → ひろよしくんのみみ 2024年6月号
~ 社員の役割を認識させ、会社を成長させる方法はこれだ!! ~
今シーズンのプロ野球も2カ月が経過。昨年36年ぶりに日本一に輝いた阪神タイガースですが、開幕当初少し躓きはあったものの5月19日現在、2位の広島に1.5ゲーム差をつけて首位に立っています。オフに大きな補強もしていませんがこの強さ。今月は常勝軍団を築き上げつつある阪神タイガース岡田監督のポリシーについて考えてみたいと思います。
岡田監督は、早稲田大学を経て1980年ドラフト1位で阪神に入団、1985年には5番打者として日本一を経験。『バース→掛布→岡田選手の連続ホームラン』は今でも語り草になっています。1995年に引退、その後オリックスと阪神でコーチ・二軍助監督を経て98年阪神に復帰。2005年に一軍監督としてリーグ優勝を果たしたあと、解説などの経験を積んで2023年15年ぶりに阪神タイガースの監督に就任。そして日本一になりました。阪神タイガースというと、「万年Aクラスにはいるものの優勝が出来ないチーム」というレッテルを貼られていました。
阪神タイガースは、ピッチャーを中心とした守りのチーム。このチームカラーを生かしながら常勝軍団を作り上げるために岡田監督が敢行した内容をまとめてみます。
【勝つための四球はヒットとして評価】
岡田監督が最初にフロントや選手に提案した内容は、四球(フォアボール)をヒット1本と同じ評価とする事。2022年度の四球獲得数358個が2023年は494個に増加。つまりシングルヒットが136安打増えた計算になります。これが日本一を導いた一番の要因と語っています。 |
【各人の役割を明確化するため先発メンバーの固定】
自分の前や後を打つバッターが変わると自分の役割が変わる → チームが求めている自分の役割が不明確になってしまう。 特に、昨年度は大山選手を4番に据えて、長距離砲と打点をあげる役割、木浪選手を8番に据えて出塁する事により、近本・中野選手という1、2番コンビに繋ぐ役割を固定しました。巨人軍がなかなか打順を固定せず、日替わりで動かす状況を見ていると、この方針の有用性が頷けます。(ひろよしくんは巨人ファン!) |
【長所を伸ばすことにポイントを置き指導する】
選手を成長させるには長所を伸ばす事が大事で、短所を無くすという方法は採らない。人間、欠点を言われる事が一番嫌。欠点を治すために何度も同じことを言われると長所も駄目になってしまうと考えています。 |
【スカウトたちを信じる】
スカウトの活躍も重視しているため、ドラフトに掛かった選手をシッカリと育てて使っています。岩貞祐太選手(2013年)、大山悠輔選手(2016年)、近本光司選手(2018年)、西純矢選手(2019年)、佐藤輝明選手(2020年)、森下翔太選手(2022年)。皆、チャンスで良く打ち、良く抑えますわ!! |
【監督はコーチを通じて伝える、選手は十分育ててから一軍に!!】
コーチとの役割分担も明確にしています。岡田監督は選手と直接会話する事を嫌い、その役割はコーチでしょう!!と割り切るスタンスです。選手と直接話しをしたり、指導をしたりすると一部の選手から必ずやっかみ(嫉妬)が入る。だから言いたい事はコーチを通じて指導をしているそうです。 そして、中途半端に二軍選手を一軍に上げない。せっかく一軍に上がっても、三振・ノックアウトで二軍に落ちる➤二軍で十分な実績が出ていない時期にまた一軍に上げる…を繰り返していると、徐々にその選手は病んでいくと評しています。 |
【長期的視点で選手を育てる】
巨人軍は、勝たなければならない使命感から、実績のある外国人、FAで多くの日本人選手を補充しています。今年3月、巨人軍に鳴り物入りで入団した助っ人外国人選手は、打てなかったため二軍降格を伝えたところさっさとアメリカに戻ってしまいました。昨年入団3年目で花開いた高卒ルーキー秋広選手、ピッチャーのリードに問題があるとされた大城捕手は二軍行き。これでは育ってきた選手をみすみす自分たちが潰している様な気がします。 |