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近頃、税務機関はビッグデータを通じて増値税申告書における「免税売上高」と「仕入税額の振替額」の2 項目に対してデータ照合を実施しています。企業側で留意すべき問題点を以下の通り纏めました。
問題点 | 根拠 |
免税輸出の定義 | 貨物又は役務を輸出する際に、一定の条件を満たした場合、増値税を免除することができる。 |
仕入税額振替の要求 | 貨物又は役務を輸出する際に、免税条件を満たした場合、その対応する仕入税額を振り替えなければならない。 |
免除輸出に係る
仕入税額振替の 税額計算方法 |
納税者が免税項目或いは非課税項目(固定資産建設仮勘定を含まない)を兼営することにより、控除してはならない仕入税額を正確に区分できない場合、以下の公式に基づき控除してはならない仕入税額を計算する。 控除してはならない仕入税額=当月の区分できない全ての仕入税額×当月免税項目売上高、増値税非課税役務の営業額の合計÷当月の全ての売上高、営業額の合計 |
用途を区分できない
固定資産に係る仕入税額 |
関連規定に基づき、増値税課税項目(増値税免除項目を含まない)に用いられると同時に、増値税非課税項目、増値税免除項目、集団福利又は個人消費にも用いられる固定資産は、その仕入税額を控除することができる。
財税【2016】36 号に基づき、下記の項目に係る仕入税額は売上税額から控除してはならない。
簡易税額計算方法を適用する課税項目、増値税免除項目、集団福利又は個人消費に利用する購入貨物、加工修理補修役務、サービス、無形資産及び不動産。そのうち、固定資産、無形資産、不動産とは、上述の項目に専ら用いる固定資産、無形資産(その他収益性無形資産を含まない)、不動産のみを指す。
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用途を区分できない
リース料に係る仕入税額 |
財税【2017】90 号に基づき、2018 年1 月1 日より、納税者が固定資産又は不動産をリースし、一般税額計算方法を適用する課税項目に用いると同時に、簡易税額計算方法を適用する課税項目、増値税免除項目、集団福利又は個人消費にも用いる場合、その仕入税額を売上税額から全額控除することができる。 |
留意点:
貨物又は役務を輸出する際に、免税条件を満たした場合、不必要な税務リスクを避けるために、納税者は速やかに仕入税額の振替を行うべきです。また、税務機関の検査に備えるために、税関輸出申告書、免税証明書等の免税輸出に関する証憑資料を適切に保管すべきです。