PDF版はこちら → 大連通信 2022年5月号
近ごろ、税務局から調査協力書が届いており、発票の虚偽受領が疑われている企業があります。しかし、企業の仕入業務が真実で、発票の善意取得をしていると思われる場合、税務局の調査に対して、企業はどう対応すれば良いでしょうか?
~納税人が善意取得した虚偽発行の増値税専用発票の処理問題に関する通知~
国税発【2000】187号通達に規定されている受領者が「増値税専用発票を善意取得した」の四つの条件:
・購入者と販売者との真実の取引。
・販売者が使ったのは所在省(自治区、直轄市と計画単列市)の専用発票。
・専用発票に記載された販売者名称、印鑑、貨物数量、金額及び税額等の全ての内容は事実と一致。
・販売者提供の専用発票が違法手段で取得された事実を購入者が知り得た証拠は無し。
~発票の善意取得に判定された後の税務処理~
・増値税では、国税発【2000】187号通達により、企業が控除済みの増値税仕入税額について、振替処理を行うべきです。<納税人が虚偽発行の増値税専用発票を善意取得した場合の税金控除による滞納金徴収問題に関する返答>(国税函【2007】1240号)通達により、善意取得された増値税専用発票について、滞納金を徴収しません。
・企業所得税では、<企業所得税損金算入証憑管理弁法>(国家税務公告2018年第28号)第12条により、企業が虚偽発行等、規定に合致しない発票を取得した場合、損金算入証憑としてはなりません。しかし、当該通達では次のことも規定しています。客観原因又は発票発行者の原因により、購入者が非正規発票を取得した場合、契約書、支払証憑等の資料にて損金算入できます(損金算入可能かどうかについて、各地の税務機関の意見が異なります)。
提案:
企業では、真実の取引が発生し、且つ虚偽発行の増値税専用発票の善意取得に該当する場合、税務機関は企業に増値税の追納を要求できますが、滞納金及び罰金を徴収できません。同時に、企業が真実の取引を証明できる詳しい証拠を提供できる場合、企業所得税の追納を要求されない可能性もあります。よって、自身の合法的権益を守るために、「真実の取引」と「善意取得」に関する証拠を収集し、税務機関と礼儀正しく交渉するようお勧めします。
より多くの情報を必要とされる方は、大連マイツまでお問い合わせください。
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