採用チャンス到来!
PDF版はこちら →人事労務通信 2024年9月号
中国で22年間、主に日系企業のコンサルティングを行ってまいりましたが、現在の中国における経営マインドは、かなり厳しい状態と感じています。過去、SARSや反日騒ぎのあった時期、あるいはリーマンショックで昨対売上50%割れなどというとんでもない決算が続出した時期などと比べても、「回復に対する期待」という点で、弱さを実感せざるを得ない場面にしばしば出会います。
しかし、これで中国経済が本当にダメになってしまうと思っておられる経営者もまた、それほどおられるわけではないと感じています。回復がいつになるのかが読みにくい、という声は聞くものの、一部のアナリストが主張しているような日本のバブル崩壊後のように、30年間以上も低迷するとか、一日も早く撤退すべきとかいう状況ではない、という予測をされる方のほうが多いようです。
当然ながら中国の人口が突然半分になるわけでもなく、14億人(諸説ありますが)の中国人が毎日3食食べ、古くなった服を買い替え、屋根のある家に住む、という状況が変わらない限り、ぜいたく品はともかく、社会に根差した製品やサービスが不要になることはあり得ません。日本のこの30年を見ても、不況不況、失われた~!と声高に叫ぶ人もいらっしゃる一方、その間の新規上場企業は数百社におよび、例えば1990年当時と比べたお台場の写真は、違う場所か?というくらいに整備が進んでいます。
我々のような企業人は、政治家と違って、マクロよりミクロ。どんな状況下でもビジネスチャンスを見つけ出せる人は見つけ出せるし、中国に来られている方の大半は、そうした発想の転換が上手な方だと思います。
さて、しかしながら大勢は組織拡大、業容拡大が当然、という状況ではなくなっており、これに伴って必ず発生するのが、「求職難」です。中国の場合、日本や他の国と少し事情が違う面はあるのですが、求人数は確かに減っています。聞き及ぶ範囲では、いわゆる「人材紹介」の成約数も減っているとのこと。これがミクロで経営を見ている我々日系企業にとって何を意味するのか?と言えば、
これまで採れなかったスペックの人材が採れる可能性が上がっている
ということになります。
日本本社からも、「日本採用の日本人より中国人社員の給与が高いなどあり得ない」と言われ続けてきましたが、これについても局面が変わってきています。
私どものご支援先では、業績は厳しいながら、将来を考えて、いまこそ求人に力を入れ、組織力を高めていこう、という取り組みを始められた企業様がじわりと増えている印象です。いわゆる欠員補充ではなく、3年後の組織構想に基づき、育成も含めた組織戦略を整備するには絶好のタイミングにあります。残念ながらその組織構想に外れてしまう既存人材にはご退場いただくことも含め、中期計画としての対応を進めるチャンスだということかと思います。
現在のような厳しい時だからこそ、組織力を高め、次に必ずやってくる上昇局面で他社に先んじる体制整備を行いましょう。
- 中期組織構想(固定的な計画ではなく、アジャイルプランが望ましい)
- 既存人材の再配置やリスキリング(育成や評価の見直し、退職勧奨を如何に進めるかも含めた対応)
- 新規人材の確保(自社採用のハードルが今まで以上に低くなっている)
などにご関心の経営者の皆さま、是非マイツにご相談ください。