【2017年9月】小企業の内部管理規範(暫定)について

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 20176月末、財政部より<小企業の内部管理規範(暫定)>(以下は規範と省略する)が公布されました。本規範は<会計法>、<会社法>などの法律、規定及び<企業内部管理規範>に基づき作成された内容です。概要は以下の通りです。

公布機関、規定番号

財政部 財会【201721

適用範囲

中華人民共和国国内に設立された<企業内部管理基本規範>及びそのセットとされている指導条件の実施条件を満たしていない小型零細企業に適用する。中小企業の区別基準は<中小企業区分基準規定>に準ずる。条件が揃っている中小企業の<企業内部管理基本規範>及びそのセットとされている指導の実施を支援する。

実際の例を挙げると、生産型企業において従業員が300名以下、かつ営業収入が2000万元以下の場合、小型零細企業となる。

関連範囲

(一)資金管理(二)重要な資産管理(ノウハウを含む)(三)債務、担保業務管理  (四)税金管理(五)原価費用管理(六)契約書管理(七)重要な取引先、仕入先の管理(八)重要な職務人員の管理(九)情報技術の管理(十)その他

内部管理対策

一般的に兼任不可職務の責任分離管理、内部承認フロー管理、会計管理、財産保護管理、証憑管理などが含まれる。小企業の各ランク管理者は授権された範囲の業務、権限を実施すべきである。

その他の内部管理における要求

小企業は会計業務の実際の状況に応じ、会計機構を設ける或は関連機構にて会計員を設置しかつ会計主管者を指定する或いは承認されている正式な会計事務所のような仲介機構に記帳代行を依頼する。

小企業は<中華人民共和国会計法>、国家で統一した会計制度にて定める会計システム(電算化ソフト)を利用すべきである。

少なくとも年に一回、全面的な内部管理の評価を行う。その他、自社の実際の状況に応じ、不定期的な特別評価を行うことができる。

実施日

201811

 

説明

本規範はガイドラインのようなもので、規範通りに対応していない場合でも、特に行政処罰はありませんが、企業資産の安全性、完全性を保証するため、上述の規範に基づき、内部管理を実施することをお勧めいたします。

<中小企業区別基準規定>の基準から見ると、大連にある日系企業の大半が小型零細企業に該当すると思われます。大連の日系企業でも、出納業務、会計業務における権限が明確にされておらず、兼任不可職務を分離されていないため、不正の温床となり得る状況が散見されます。そのため、会社の内部管理制度を設ける際、小型零細企業に該当するのであれば、本規範を参考に全面的に企業内部の管理状況を再評価し、内部管理の水準を高めるようお手伝い出来ますので、ご相談ください。