昨今の円安の影響を受け、撤退を検討されている企業も多いかと思いますが、企業を
清算する場合、暖房費手当の一括納付を要求される可能性があります。詳細は以下の
とおりです。
2006年9月15日、大連市人民政府は《大連市企業離職、退職者も暖房費手当特別資
金の調達管理弁法》を公布しています。
上記弁法では中山区、西岡区、沙河口区、甘井子区、高新技術産業園区(大連市内の
都市区)内の各種都市企業、民営非企業組織及び大連市内4区都市戸籍を有する在職
従員及び離職(中国語の「離休」のことです。政府幹部などの定年退職を指し、通常の
定年退職とは待遇が異なります)、定年退職者に対し適用するとされていますが、保税
区でも同じ規定が実施されています。
また、当該弁法にて、離職、定年退職者の暖房代手当を専門機構(暖房費手当を管理
している部門)より支給する場合、企業の離職、定年退職者ついては、企業より規定に
基づき暖房費手当特別資金を納付することとされています。
定年退職者分の暖房費負担を要求されていること自体あまり知られていないかと思い
ますが、上記規定の第8条では、さらに破産・清算の場合、定年退職者の暖房費を一括
納付するように規定されています。これは「企業が継続していた場合、将来負担するで
あろう暖房費を一括で払え」という意図と思われます。
清算をする場合、企業は商務部門への清算手続きをする前に、管轄区の労働人事局
及び社会保険部門を通じ、定年退職者人数を審査してもらい、定年退職者がいる場合、
上記規定に基づき、一括でその該当分の暖房費手当を支給することになります。支給後
は、保税区労働人事局及び保税区社会保険部門に捺印した文書を提出し抹消許可を
もらった後、商務部門へ企業清算を申請します。
なお、一括納付額については、別途通知(大政弁発[2010]166号及び大保管発
[2011]10号)が公布されており、現在は2.8万元/人とされています。