夏季賞与の時期も終わりましたが、年1回性賞与の支給を今夏行った企業様もあるかと存じます。
実はこの年1回性賞与、金額によっては個人所得税が急増し、逆に手取りが減ってしまう現象が起こることがあります。今回はこの現象についてご案内したいと思います。
まず、通常の年1回性賞与の税額計算方法についてですが、
① 賞与額18,000元の場合と②賞与額19,200元の場合を例とした場合、以下の様になります。
あれ?賞与額が少ない①の方が②より手取りが多くなってしまいました。
なぜこのようなことが起きてしまうかというと、年1回性賞与の速算控除に問題があります。
そもそも速算控除額というのは、「全所得×高税率-低税率基準所得×(高税率-低税率)」という計算
式のマーカー箇所をまとめたものです。
上記表を例にすると、②の計算のとき、本来速算控除も12か月分(12倍)であればいいのですが、1か月分しか控除しないため、税率が変わる際、速算控除×11か月(1,155元)分で税金が急増することになります。図示すると以下の通りです。
会社は支出が多くなるのに、従業員は手取りが減ってしまうという双方にとって不利な状況ですので、年1回性賞与支給の際はご留意ください。