財政部、人的資源社会保障部、税務当局は昨年12月に、「企業年金・職業年金の個人所得税に関する通知(以下:通知)」を発表し、民間企業の従業員を対象とした新たな年金制度が1月1日からスタートしました。
中国の年金は次の3種類があります。
①基礎年金(強制加入)
②企業年金(任意加入)
③個人貯蓄年金
②の任意加入の企業年金に注目してみました。これが中国版401Kと言われるものです。
この年金は運用結果により給付される年金額が変わる確定拠出型になります。
今回の通知により、②の企業年金について、図のように所得税の優遇が図られる事になりました。
加入人数でみると、企業年金は基礎年金の6.07%に過ぎず、ほとんどは国営企業や大企業であり、中小企業の導入はほとんど無い状態です。
今回の税制優遇政策によって、企業年金への加入を促し、将来の年金不足を補いたいと言う考えがあるようです。
しかしながら、企業に負担がかかるという面だけでなく、最近は中国でも公務員が就職先として人気があるように、求職者は企業へ就職する際に、給与水準だけでなく福利厚生の充実も考慮するように変化してきています。
優秀な人材を確保し定着してもらう為に、企業年金を整備する事も選択肢の一つに加えては、いかがでしょうか。