今回は経済性裁員を取り上げます。
経済性裁員とは、企業が重大な経営不振に見舞われたとき、経営を合理化しコストを削減することを目的に行う人員削減をいいます。
雇用会社の労働力が余っている場合に無制限に大量解雇を行えば、失業者が街に溢れ、社会が不安定化する恐れがあり、社会の安定が重大な課題である中国政府としても出来ることなら認めたくはありません。
しかし、市場経済を採用し、経営に自己責任を求めている以上、企業に対して雇用のセーフティーネットとしての機能を強制することはできません。したがって、法律で人員削減を行う事を制度として認めましたが、同時に厳格な規制を設けました。
《経済性裁員を行う要件》
① 企業破産法の規定に従い更生を行う場合
② 経営に重大な困難が生じた場合
③ 生産する製品の転換、重大な技術革新又は経営方法の調整により、労働契約を変更してもなお
人員削減の必要がある場合
④ その他、労働契約締結時に拠り所としていた客観的な経済状況に重大な変化が生じ、労働契約の
履行が不可能になった場合又、上記の要件に該当し、かつ次の人数を削減する場合は、工会又は
従業員から意見を聴取後、人員削減案を労働行政部門に報告しなければなりません。
① 削減人数が20人以上の場合
② 削減人数が20人未満であるが、従業員全体の10%以上である場合
さらに、人員削減を行う場合、下記の者を優先的に雇用する必要があります。
① 比較的長期の固定期限の労働契約を締結している者
② 無固定期限の労働契約を締結している者
③ 世帯に他の就業者がおらず、扶養すべき老人又は未成年者がいる者
また、雇用会社が大規模な人員削減を行った後、六ヶ月以内に新たに人員を募集・雇用する
場合は、削減対象となった者に対して通知し、新規雇用者と同等の条件で優先的に雇用しな
ければなりません。
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