[2012年5月号] 上海市過去19年の平均賃金と推移

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 3月末にようやく昨年度の上海市平均賃金が発表されました。
今回は「上海市平均月額賃金」を確認してみたいと思います。
【1993~2011年上海市平均月額賃金】

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 上海市では、93年より正式な統計が開始されました。過去19年間上昇を続けているのが見て取れます。
上海市の「上海市平均月額賃金」は、人事・労務の各種実務面で多岐に渡り使用される重要なデータとなります。
例えば、①各種社会保険の基数上下限②経済補償金の支給額上限③経済補償金の個人所得税控除額④病気休暇となった場合の給与額設定⑤生育保険(産休中給与保障)からの生育生活手当金額の上限、⑥労災による一括性医療補助金・身体障害就業補償金、などです。
①の各種社会保険の基数ですが、毎年4月に上限下限が調整され、翌年3月迄適用されます。昨年は、平均月額賃金が4331元ですので、上下限は、次の通りになります。
 

●基数上限(平均月額賃金の300%):12,993元
●基数下限(平均月額賃金の 60%): 2,599元 

  
 又、現在注目を集めている外国人社会保険を、中国人と同じ条件で上限にて試算してみると、
毎月約8万円の負担増になる可能性があります。
 試算:会社負担額4,807元+個人負担額1,429元=合計6,236元(8万円)
今回、上海市の最低賃金と平均賃金は、前年比それぞれ約13%、約11%の増加でした。弊社が行っている給与調査において、2012年昇給予定アンケートでも近い数値が出ております。昇給幅は各社業績や個人評価でも異なりますが、変化の速い中国では、市場全体の動きの把握も必要かと思います。