3月30日になって、やっと[上海市前年度平均賃金]が公表されました。上海市の[平均賃金データ]は、1.各種社会保険の納付基数、2.経済補償金の支給額上限金額設定、3.経済補償金の個人所得税控除額、4.1ヵ月全てが病気休暇となった場合の給与額設定、5.生育保険(産休中給与保証)からの生育生活手当金額の上限、6.労災による一括性医療補助金・身体障害就業補償金、など人事・労務の各種実務面で多岐に渡り使用される重要なデータとなります。
また、発展目覚しい上海市の状況を定点観測した貴重なデータとも言えます。今回は上海市において93年から正式な統計が開始された過去17年分の「平均賃金」データをまとめてみました。
対前年伸び率そのものは若干下がってはきていますが、急激な賃金上昇は棒グラフから読み取れるかと思います。17年給与水準が7.6倍(年467元⇒09年3,566元)。さらに、中国がWTOに加盟し日系企業の進出が加速、また上海万博の開催が決定した2002年の平均賃金と比べても、2009年平均は、2.2倍(02年1,623元⇒09年3,566元)となっています。日本風の緩やかな昇給設定では、上海市の現実には追いつけない現状がデータでも見て取ることができます。また、上海市の平均賃金統計データは江蘇省などとは統計データの取得基準が異なり、低めの数値となっていることも忘れてはなりません。