[2007年3月号]労災保険(工傷)について

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ここ数回に渡って、社会保険の概要を見ましたが、今回は、時折ご質問をいただくことがある労災保険についてみましょう。
 まず、中国では労災のことを「工傷」と呼びます。
 工傷事故は発生しないのが一番ですが、万一発生した場合、その処理の時期に気をつけて下さい。中国の病院では、基本的に多額の治療費を前払いしないと実際の治療をしてくれない為に、会社が立替払いする事も多いかと存じます。そして、しばらくした後に「工傷事故として工傷(労災)保険の対象になるだろうか」と、弊社にお問合せいただくことも多いのですが、労働部門に事故発生後企業が30日以内に申請して、工傷と認定された場合にはじめて工傷となります。企業が申請しない場合に、従業員・その直系家族・労働組合が1年以内で申請することも出来ます。ですが、企業が期限内に申請をしない場合には、その期間中に発生した工傷待遇等の関係費用は企業が負担しなければいけません。

 

一、  勤務時間中、且つ、勤務場所での場合
  1. 仕事が原因で発生した事故
  2. 職務を果たすため暴力により傷害を受けたとき
  3. 突然の疾病で即死又は病院で救急治療したが48時間以内で死亡したとき
二、  勤務時間外に発生する場合
  1. 勤務場所で仕事に関わる準備又は片付けをしていた折の事故
    条件:必要性と①合理的時間内にあること
  2. 出勤又は退勤途中で、且つ交通事故により傷害を受けたとき
    条件:自動車、オートバイなど機動車による事故
    (1)合理的な時間内・②合理的な路線内
三、 職業病にかかった場合
四、 外出・出張時の場合
    条件:会社の指示・承認の仕事による外出・出張で(2)合理的な路線内での事故
五、  国家又は公衆利益を守るため傷害を受けた場合
    条件:政府機関より認定される
六、  その他(元軍人の軍隊にいたときの傷による事故など)

 
(1)合理的な時間内・・・出勤に要する時間、準備・後片付けに要する時間が30分のところを、2時間以上前に
出勤、準備をしていたときに事故がおきても、労災と見なされない可能性があります。