税総発[2017]101号文書《税務システムの“放管服” (管理・サービスの開放)改革を一層深化させ税務環境を整備することに関する若干の意見》に基づき修正が行われた《企業所得税優遇政策事項処理弁法》が公布されました。内容は以下の通りです。
文書・番号 |
《企業所得税優遇政策事項処理弁法》・国家税務総局公告2018年第23号 |
優遇範囲 |
弁法が規定する優遇事項には、免税収入、収入の減算、加算控除、加速償却、所得の減額免除、課税所得額の控除、税率の低減、税額控除免除等を含む。 |
優遇根拠 |
優遇事項の名称、政策の概要、主要政策根拠、主な調査に備えて留保する資料、優遇享受期間、継続管理要求等については、税務総局が編集、更新した《企業所得税優遇事項管理目録(2017年版)》を参照のこと。 |
優遇の 享受方法 |
「自己判別、申告享受、関連資料の調査に備えた保管」の方式を採用する。企業は自身で優遇事項の規定条件に合致するかを判断し、条件に合致する場合《目録》に記載されている時期に自身で減算、免除税額を計算することができ、且つ企業所得税納税申告表を記入することで優遇税制を享受することができる。同時に、本弁法の規定に基づき、関連資料(契約書、帳簿等)を取り纏め、保管し調査に備える。 |
調査に備え保管する 資料 |
企業は年度確定申告後、調査に備えて保管している資料を適用される優遇別に区分して取り纏め、不足の無いよう整理し(分公司は総公司にまとめる)調査に備えて保管する。企業は優遇事項の調査に備え保管する資料の真実性、合法性に対し法律責任を負う。調査に備え保管する資料は、優遇事項を享受した当年度の企業所得税確定申告期限終了の翌日より10年間保管する必要がある。 |
継続管理 |
企業は優遇事項を享受した後も、税務機関は適時、継続管理を実施する。 税務機関は厳格に本弁法の規定する方法に基づき優遇事項の管理を行い、勝手に優遇事項の管理方式を変更することを厳格に禁止する。継続管理において、企業は税務機関の管理サービスの必要要請に応じて、規定上の期限と方法に基づき、調査に備えて保管した資料を提供することで、優遇事項を享受する条件に合致していることを証明する。 |
関連罰則 |
1. 企業は優遇を享受した後に、優遇事項の規定条件に合致しないことを発見した場合には、法に基づき、直ちに自主的に調整すると同時に、税金及び滞納金の追納を行う。 2. 企業が要求通りに調査に備え保管する資料を提供しなかった場合、あるいは提供した資料が実際の経営状況、財務処理状況、関連技術領域、産業、目録、資格証書等と合致せず、優遇事項の規定条件に合致することが証明できない場合、あるいは、虚偽の状況が存在する場合、税務機関は法に基づきすでに享受した企業所得税の優遇に対し追徴を行い、且つ税収徴収管理弁法等の関連規定に従って処分する。 |
適用時期等 |
2017年度以降の企業所得税確定申告。 同時に国家税務総局公告2015年第76号(旧弁法)は廃止。 |
注意点:
1. 新しい規定により企業が優遇事項を享受する手続きが簡略化されましたが、事前審査がなくなったことにより、事後の検証時において条件に合致しなければ、遡及して優遇を取消(追徴)されるリスクもあるため、慎重な判断が必要です。
2. 2017年企業所得税確定申告、すなわち2018年5月末までの申告分より上述の弁法が実行開始となります。企業が自身で優遇適用可否の判別を行い申告して優遇を享受した後は、関連資料を調査に備えて10年間保管する必要があることにご留意ください。