環境の保護と改善を目指し、汚染物質の排出を削減して生態系の保護を推進するための「中華人民共和国環境保護税法」及び「中華人民共和国環境保護税法実施条例」が2018年1月1日から施行されました。
環境保護税は四半期毎に申告するため、2018年4月1日に最初の課税期間を迎えます。すべての企業が環境保護税の納税者ではありませんが、この上海通信を通じて、この新しい税についてご理解を深めていただければと思います。税務部門の統計資料によると、第1回目に課税対象と認定された環境保護税納税者は26万件以上で、中国企業の総数の約1 %に当たります。
◆ 課税対象:
中華人民共和国の領域と中華人民共和国が管轄するその他の海域において、課税対象となる汚染物質を直接排出する企業、事業者、その他の生産者が環境保護税の納税者となります。課税汚染物は、大気汚染物質、水質汚染物質、固体廃棄物、騒音です。
◆ 課税根拠:
(一) 大気汚染物質 …汚染物質の排出量に基づいて計算した「汚染当量」数によって確定。
(二) 水汚染物質 …汚染物質の排出量に基づいて計算した「汚染当量」数によって確定。
(三) 固体廃棄物 …固体廃棄物の排出量によって確定。
(四) 騒 音 …国の基準を上回るデシベル数によって確定。
◆ 納税額の計算方法:「汚染当量」数(もしくは排出量、デシベル数)×適用税額
(例:大気汚染物質の適用税額は1.2元~12元/「汚染当量」当たり)
汚染当量:異なる汚染物質或いは汚染排出量の間における汚染危害と処理費用の相対関係を示したもの。
例)水汚染に関して⇒汚水中の最主要汚染物質化学的酸素要求量 1kg を基準とし、その他の汚染物質は有害程度、毒性及び処理費用などから決定する。
汚染当量値:「課税汚染物と当量値表」に記載された汚染物質毎の固有単位。
◆ その他
以下のいずれかに該当する場合は、環境へ直接汚染物質を排出することにはならないので、環境保護税の課税対象外になります。
(一) 企業とその他の生産者が、法に基づき設立された汚水集中処理場所、生活ゴミ集中処理場所に課税汚染物質を排出する場合。
(二) 企業とその他の生産者が、国家と地方環境保護基準を満たす施設や場所において固体の廃棄物を貯蔵或いは処分する場合。