今月は有給休暇を取り上げたいと思います。2008年に『従業員有給条例』が施行されてから
6年がたちました。就業規則にも規定されているのでしっかり運営しています、という企業様も多いか
と思います。しかし、ご相談が多いのもこの有給の取扱いについてと言えます。
まず有給は何日与えればいいのか?日本では6カ月経過後8割勤務で10日の付与ですが・・・。
中国では次の通りです。
〇 『累計就業年数』
中国の有給休暇において日本と大きく違う点が『累計就業年数』です。累計就業年数とは、
その従業員が社会にでて就業した年数の合計となります。もちろん、この就業年数の合計は
「档案」といわれる個人ファイルへの記載、その他社会保険の納付記録等の法的証明が可能な
書類により判断されます。
日本では有給休暇の買取りはできないこととなっています。しかし、法定外の有給休暇日数
については買取りができ、就業規則等で自由に規定することができます。
この点について中国の規定と大きな違いがありますので注意が必要です。
〇 有給休暇の買取り
会社の業務上の都合により有給を与えることができない場合や、従業員から有給を放棄する場合は、
従業員の書面の提出を経て有給休暇を与えないことが出来ます。但し、未使用の有給休暇については、
1日につき日給の300%(正常勤務時の1日分を含む)の手当を従業員に支給する必要があります。
〇 従業員に対して法定以外の有給休暇を与えている場合の注意事項
法定外有給休暇も法の適用を受けることとなります。もちろん、日本と同様に法定外有給休暇は
会社に自由裁量があります。但し、就業規則、休暇規定等に『福利休暇の買取りを行わない』
『有給休暇の消化は法定休暇から行うこととする』などの条項がなければ、法定有給休暇と同様の
規定を受け、予想外の買取りをしなければならなくなります。