2013年9月1日に「サービス貿易に関する外貨管理法規を印刷・配布についての通達(匯発[2013]30号)」及び「サービス貿易等項目の対外支払にかかる税務届出に関する問題の公告(国家税務総局・国家外貨管理局公告2013年第40号)」が施行されます。
主な変更点は次の2つです。
① 一件当たり5万米ドル以下の外貨の受取・支払に関して、金融機関は原則的に取引書類を審査、
確認しないものとしました。一件当たりの金額を3万米ドルより5万米ドルまで引上げ、緩和され
ました。
② 取引書類の審査を必要とする業務に関して、対外的外貨支払の納税証明書類の提出義務の廃止
を含め、審査要求を多方面にわたり簡素化するものとしました。
サービス貿易の対外支払はこれまで、原則3 万米ドル以上の場合に税務局で『税務証明』を取得し、
銀行手続時に提出しなければなりませんでした。今回この『税務証明』は廃止されましたが、代わり
に今後は原則5万米ドルを超える対外支払を行う場合、事前に国税主管部門で『サービス貿易等項目
の対外支払にかかる税務届出(備案)表』の手続を行い、対外支払時にこの『届出表』を銀行に提出
する必要があります。
納税証明書類の提示免除は、送金手続きの簡便化であり、納税義務が変更されたわけではありま
せんので、送金前には、根拠資料となる契約書とインボイス、源泉徴収される税金(源泉所得税、
営業税、増値税など)の納付状況を確認する必要があります。
上記に関連して、日本親会社が立替えた給与を海外送金する場合、従来は『税務証明』で送れて
いたものが、 今後は5万米ドルを超える場合は、『税務届出(備案)表』の提出を銀行から要求され
る可能性があります。
税務局は、『非居住者企業の派遣人員が中国域内で提供する労務に対する企業所得税徴収に係る
問題の公告』(国家税務総局公告2013年第19号)に基づき、労務費収入かどうかを判断するものと
予想されます。
従って出向契約書、労働契約書が国家税務総局公告2013年第19号に基づき労務報酬と看做され
ない内容 になっているかどうか確認されることをお勧めします。