暑くなってきましたが、皆さん体調管理のほうは如何でしょうか?
さて、日本企業が中国ローカル企業を買収した際に必ず発生する問題があります。それは、被買収会社の帳簿をどのように処理するかといった問題です。断言は出来ませんが、中国のローカル企業には帳簿が2つ以上あり、コンプライアンス違反が散見されます。(ここでは、どういったコンプライアンス違反があるかは記載いたしません。)今回は、買収後に、被買収会社に2つ以上ある帳簿を一本化し(二重帳簿を廃止し)、フレッシュスタートを切る方法をいくつかご紹介します。
1. 会社買収方式の場合
会社買収によりローカル企業を買収する場合には、被買収会社たるローカル企業の帳簿を作成し直して、
その後一気に過年度修正を行うこととなります。
(税務リスクは存在致しますので、詳しくは専門家へご相談を。)
2. 新会社を受皿会社とする買収方式の活用
(1) 事業買収
まず、買収会社は中国で新会社を設立します。次に、新会社を受け皿としてローカル企業より事業譲渡を
受けます。事業譲渡の手続きでは全ての資産及び負債を公正価値評価し新会社へ引継ぎます。
新会社はその後に生じる取引について新たに記帳を行うため、正しい記帳を行えば帳簿は一本化されま
す。
(2) 資産買収
事業買収と同じく、買収会社が新会社を設立。その新会社がローカル企業より資産譲渡を受けます。
買収の目的が事業全体ではなく、特定の資産である場合、事業買収ではなく、資産買収を行う方がメリット
があります。
ちなみに、買収後にコンプライアンスを徹底した結果、黒字だった企業が赤字になる事例が多数あります。
資本を入れるかどうかの決定を行う際にはしっかりした財務調査が欠かせません。