[2008年2月号]有給休暇に関する新規定

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いよいよ新・労働契約法が施行されました。
あまり知られていませんが、2008年は人事・労務関連法規でも新しい規定が続々と施行になっています。労働契約法をはじめ、就業促進法・就業服務与就業管理規定という就職差別を禁じた日本の雇用機会均等法に類した法規も施行されています。そして、「従業員有給休暇条例」は内容の大幅な変更もさることながら、正式決定してから16日目に施行という事もあり、驚きとともに迎えられました。
今回は大きく変更となった「中国・有給休暇事情」についてご報告させて頂きます。
2007年末までは、中国での有給休暇に関しては「勤続1年以上の従業員に最低1日付与する」としか規定されていませんでした。このためもあり、在中国の大多数を占める中国系企業での有給休暇付与の実態は惨憺たるものがあったようです。
そこで、今回の改訂で以下のように規定されました。
【1.法定有給休暇付与日数について 】
 (1) 勤続年数 5年以上10年未満は、        5
 (2) 勤続年数10年以上20年未満は、 10
 (3) 勤続年数20年以上は、         15
【2.以下に該当する者は、有給休暇を享受できない 】
 (1)従業員が法律に従い夏・冬休みを享受し、その期間が年次有給暇期間より長い場合
 (⇒ 注:記者会見により、これは学校職員を対象とした夏休み・冬休みと解説されている)
 (2)従業員が累計で私用休暇を20日以上取り、且つ企業が規定通りに減給しない場合
 (3)勤続年数1年以上10未満の従業員が累計で病気休暇を2ヶ月以上取得した場合
 (4)勤続年数10年以上20年未満の従業員が累計で病気休暇を3ヶ月以上取得した場合
 (5)勤続年数20年以上の従業員が累計で病気休暇を4ヶ月以上取得した場合
【3.有給休暇を付与しなかった場合 】
 (1)買い取り規定(義務):業務の都合で、規定の有給休暇を付与できなかった場合、
    未使用の有給休暇について、会社は“該当従業員日給の300%”の手当を従業員に支払
わなければならない(日本風に言えば買い取り)
 (2)罰則:会社が従業員に年次有給休暇を与えず、買い取りも行わない場合、当局の職権に
よって以下の措置を取る。
  1. 一定の期限までに改正(支払い)するように命令
  2. 1.に定めた期限までに改正しなければ、支払いの命令に加えて人民裁判所より強制執行を受ける
 

注目すべき点は、未消化分有給休暇について「300%」での買い取りが義務付けられた事。法定以上の有給を付与している会社でも未消化分を全て買い取らねばならないのか。現状では、これも細則を待つしか方法はなさそうです。