【2026年3月】2026年増値税法の新制度:個人労務報酬に関する発票発行方法の変更について

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2026年1月1日より、《中華人民共和国増値税法条例》が正式に施行され、その第35条において次のとおり明確に規定されています。
「自然人(個人)が規定に適合する課税取引を行った場合、その対価を支払う国内の単位(法人等)が源泉徴収義務者となる。源泉徴収・納付の具体的な実務方法については、国務院の財政・税務主管部門が別途定める。」
本条項により、「支払者による源泉徴収・代理納付義務」という制度が導入され、自然人(個人)が課税取引を行う場合、支払者が増値税を源泉徴収・代理納付することが明確化されました。これにより、従来のように個人自らが発票の代理発行を申請し納税する方式は変更されることになります。

新旧制度における、自然人の労務報酬に係る発票発行の違いは、以下のとおりです:

比較項目 旧政策(2026 年 1 月 1 日以前) 新政策(2026 年 1 月 1 日以降)
発票発行
主体
自然人(個人)が自ら身分証を携帯して税務窓口に赴く、または電子税務局を通じて代理発行を申請 労務報酬を支払う国内の単位(企業)が代理発行主体となり、電子税務局にて一括代理発行を行う
増値税の
源泉徴収義務
自然人(個人)が自ら増値税および付加税を納付し、支払者には源泉徴収義務なし 支払者が増値税の源泉徴収義務者となり、報酬支払時に増値税を先に控除し、税引後の報酬を支払うとともに、代理で申告・納税を行う
発票の種類 紙の発票が中心(電子普通発票の発行も可) デジタル電子発票(数電票)のみ対応し、PDF/OFD形式で企業に直接送信
個人所得税の
取扱い
税務窓口での代理発行時には個人所得税は徴収されず、支払者が別途源泉徴収・申告 企業が労務報酬に係る個人所得税を同時に源泉徴収し、個人所得税の控除情報と発票情報が連動、システムが自動的に控除税額を計算

自然人(個人)が企業に対して労務を提供した後、支払企業は「リバース・インボイス(反向开票)」の申請を行うことができ、その手続きは以下の3段階に分かれます。

  1. 第1段階:企業の税務担当者が、自然人電子税務局のWEB版から申請を行う。
  2. 第2段階:労務を提供した自然人(受取人)が、個人所得税APP上で内容を確認し、納税を行う。
  3. 第3段階:企業が【自然人電子税務局WEB版】の源泉徴収機能に戻り、個人所得税の源泉徴収・代理納付を完了する。

 

なお、《中華人民共和国増値税法条例》では支払者による増値税の源泉徴収・代理納付が規定されていますが、現時点の実務運用においては、実際に源泉徴収・代理納付を行うための具体的なルートはまだ整備されていません。今後、電子税務局において関連機能が追加される可能性があります。