【2025年11月】あなたの会社、顧客第一主義のマーケティングしています~??

PDF版はこちら →ひろよしくんのみみ 2026年2月号

 

~企業を安定的に成長させる方法はこれだ!!~

2026年1月3日、トランプ大統領がベネズエラのマドゥロ大統領を「麻薬密輸」に関与したとして拘束、イランでは市民の反政府デモが勃発と世界中で不安定な状況となっています。人間全員が穏やかに暮らしたいと考えているのですから、自国や自己ファーストでなく相手をリスペクトし尊重する姿勢で話し合いが出来ないものかと思っていますが如何でしょうか?


今月は、昨年11月末でキユーピーに統合されたアヲハタ株式会社のマーケティング戦略について勉強してみたいと思います。(私は毎朝食パンにアヲハタのイチゴジャムをたっぷり塗って食べるのが至福の時です!!)
アヲハタ株式会社の沿革は、以下の通りです。

年 度 項 目
1932年 アヲハタ印のみかん缶詰、オレンジママレードなどのジャム類の製造を目的として中島商店が株式会社旗道園を立ち上げて創業。(もうすぐ100年企業の仲間入り)
1948年 企業整備令で株式会社旗道園は解散していたが、甘日出要之進氏が発起人となり青旗缶詰株式会社を設立
1962年 キユーピー印ミートソースなどの調理食品缶詰の製造を開始
1970年 甘さの少ない低糖度ジャムを開発。「アヲハタ55オレンジママレード」を発売
1998年 広島証券取引所に上場 ⇒2000年 東証2部に上場
2012年 果実と果汁で作った「アヲハタ まるごと果実」シリーズを発売
2022年 スプーンを使わない「アヲハタ Spoon Free」を発売 大ブレーク!!
2024年 キユーピー株式会社による子会社化により上場廃止

 

アヲハタの業績については次の通りです。

5期の経営状況(単位:百万円)
項目 20年11月 21年11月 22年11月 23年11月 24年11月
売上高 20,439 20,183 19,532 20,287 20,513
経常利益
765 971 449 423 400
総資産 18,791 17,775 17,685 17,062 17,190
総資産経常利益率 4.1% 5.5% 2.5% 2.5% 2.3%
売上高経常利益率
3.7% 4.8% 2.3% 2.1% 2.0%
総資産回転率
1.08回 1.14回 1.10回 1.19回 1.19回
総資産経常利益率(投資判断指標:5%は欲しい)が減少傾向。要因は売上高経常利益率の減少にあります。売上はキープ出来ていますが人件費などの上昇を吸収できていない状況です。
しかし、この窮地を救うのは2022年に発売した「アヲハタ Spoon Free」になるのではないかと考えています。
総務省が発表している2人以上の世帯が消費するジャムの消費量ですが、2000年は1世帯1,328グラムあったのが2024年は1,075グラム、20年余りで約2割、毎年1%ずつ減少しています。

 

アヲハタのマーケティング本部に在籍する松本翔吾氏は、アヲハタのジャムは味が良いのになぜ売上が落ちるのか??この疑問を徹底的に解明しました。
これまで朝食で食パンを食べるときは、①トースターで食パンを焼く、②バターを塗る、③アヲハタの瓶を開けてイチゴジャムを塗って食べる。この流れが定番でした。
ジャムを塗る時点からの動作を分析すると、①瓶の蓋を開ける動作(時には固くて開けられない時もあり)、②スプーンを瓶に入れて食パンにジャムを塗る、③食べ終わった後にスプーンを洗う。加えて、子供はスプーンを舐めてそれを瓶に入れるのでジャムにカビが生えたりして衛生上も良くない。
更に、データで特にジャム離れが進んでいる30代~40代にも着目しました。
⇒分析:30代~40代の方は、①起きてから出勤までの時間を短縮したい、②子供を早く学校に送り出したい!!
松本氏が考えたのは、味よりも動作の省略!!容器を瓶からプラスチックボトルのチューブ方式に切り替える事!!

これなら、①硬い瓶の蓋を開ける動作が不要、②スプーンを容器に入れて塗る動作も不要、③スプーンを使わないので食後にスプーンを洗う事も不要、更に④瓶にスプーンを入れる必要もありませんのでカビが生えることもなく衛生上の問題も解決!!この製品投入で、ジャム部門の売上が3倍にアップしました!!
そして、強烈なキャッチコピーとして、プラスチック容器に、「さよならスプーン」と書くことで、30代~40代のユーザーの心をつかみました!!
更に副次効果として、土日や少し時間に余裕がある朝はユックリと朝食を食べたいので従来の瓶入りのアヲハタジャムで食べようと考える方が増え、従来の製品も売れるようになりました。