
PDF版はこちら →上海通信 2026年2月
中国現地法人の経営状況の悪化等により、会計上「固定資産の減損」を検討されるケースがあります。そこで、中国における固定資産の減損に関する会計処理の概要、税務上の留意点について概要を紹介します。
1.会計処理の概要
企業会計準則(いわゆる新準則)第8号「資産の減損」で会計処理が規定されています。
・減損の定義:
資産の減損とは、資産の回収可能金額が帳簿価額を下回ることをいう。
・減損損失測定のステップ:
- ① 減損兆候有無の評価し、減損兆候がある資産を識別
- ② 減損兆候がある資産について回収可能価額を見積もる。
- ③ 回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額を減損損失として認識する。
- ※1 日本基準のように、割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回っているかどうかの判定がなく、減損兆候がある資産については、すぐに減損テスト(ステップ②、③)を実施する。
- ※2 回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と、将来キャッシュ・フローの現在価値のいずれか高い金額をいう。
- ※3個別資産の見積りが不可能な場合は、資産が属する資産グループ単位の回収可能価額を測定する。
・減損損失の戻入れについて:
新準則において、いったん認識した減損損失について、戻入れることは認められていない。
2.税務上の留意点
会計上認識した減損損失については、税務上(企業所得税)は原則として全額損金不算入となります。
また、会計上税効果会計を適用している場合、減損損失計上により将来減算一時差異が発生するため、繰延税金資産計上可否の検討が必要となります。
3.まとめ
中国基準における固定資産の減損について概要をご説明しましたが、一部を除き基本的な処理、考え方については、日本基準と大きな違いがないことが分かります。
実務上の処理については、監査法人と慎重に協議されることをお勧めします。
