
PDF版はこちら →華南通信 2025年12月号
2023年12月29日に改正された『中華人民共和国会社法』(以下「会社法」という)は、2024年7月1日より施行されています。 また、『中華人民共和国外商投資法』は、2020年1月1日より施行されています。 これに関連して、財務処理に関する事項について以下の通り通知します。
公積金による損失補填に関する問題について
(一)会社は「会社法」第214条の規定に基づき、公積金を用いて損失を補填する場合、当該会社の監査済みの直近会計年度(2024年度以降)の個別財務諸表を基礎とし、期末未分配利益のマイナスをゼロにするまでの範囲で行うものとします。補填の順序は、まず任意公積金、次に法定公積金を順に取り崩して補填を行い、それでもなお補填が完了しない場合、次の行為によって純増加した資本公積金の範囲内で損失を補填できます。
- 1.現金、または実物・知的財産権・土地使用権・株式・債権など、貨幣評価および合法的譲渡が可能な非貨幣資産による出資の受入れ
- 2.債務の代位弁済・債務免除、または現金・実物・知的財産権・土地使用権の寄付による資本的投入の受入れ
ただし、これらにより増加した資本公積金のうち、国家の規定により特定の株主に限定されるもの、または用途が限定されているものは、当該権利者の同意を得ない限り損失補填に使用できません。 また、条件付きで増加した資本公積金については、金額が確定した後でなければ損失補填に用いることはできません。
(二)公積金を用いて損失を補填する場合、会社は公積金による損失補填案を策定し、損失の状況・補填の理由・使用予定の公積金の出所・金額・方法などを明示し、取締役会で決議を経た上で株主総会(または同等の権限機関)に付議しなければなりません。株主は法に基づいて質疑・採決を行い、株主総会で否決された場合、会社は公積金を用いた損失補填を行ってはなりません。
(三)資本公積金を用いて損失補填を行う会社は、株主総会がその決議を行った日から30日以内に債権者へ通知するか、公告する必要があります。 債権者はこれに基づいて自身の債権リスクを合理的に評価します。なお、銀行業金融機関については、金融監督部門の関連規定に従って情報開示を行う場合、本条の要求は適用されません。
(四)資本公積金を用いて損失補填を行った会社は、関連する情報開示義務を履行する際に、財務諸表の注記における「未分配利益」項目の下に、資本公積金を用いて損失補填に充当した金額を個別に開示しなければなりません。
(五)2024年7月1日の新「会社法」施行以降において、公積金を用いた損失補填が本通知の要件を満たしていない場合は、本通知の要件に適合するよう修正しなければなりません。
