【2025年10月】民法と相続税法の取り扱いの違い

 

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相続に関して民法と相続税法とでは、その取扱いに違いがあります。それは、民法が「相続人間における公平性」を目的としているのに対し、相続税法では「課税の公平の確保」や「課税逃れの防止」を目的としているからです。

その違いの主な点については、以下のとおりです。

 

民法
相続税法
①養子の数 養子の数に制限はありません。
基礎控除の額や生命保険金等の非課税限度額の計算上、つぎのとおり認められる数が決まっています。
a.実子がいる場合    1人
b.実子がいない場合   2人
②相続放棄 初めから相続人ではなかったことになります。 基礎控除の額や生命保険金等の非課税限度額の計算上、「相続放棄がなかった」ものとして、相続人の数をカウントします。
③相続財産
(死亡保険金)
死亡保険金は保険受取人の固有の財産ですので、相続財産の範囲に含まれません。
死亡保険金は、「みなし相続財産」として、課税の対象となります。
(ただし、相続放棄した者が受け取る保険金には非課税の適用はありません。)

 

≪参考≫

・相続放棄と財産放棄

「相続放棄」とは、民法の規定に基づき相続人として有する被相続人の財産に関する権利義務の全てを放棄するものです。

「財産放棄」とは、遺産分割協議で財産を相続しないなどと意思表示することにより、被相続人の財産を事実上放棄するものです。