PDF版はこちら →ひろよしくんのみみ 2025年2月号
~ 常識を覆し、成長する方法はこれだ!!~
1月21日、共和党のドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国の第47代大統領に返り咲きました。不法移民対策、輸入品への追加関税、アメリカ国内での化石燃料の増産を発表しガザ地区の停戦、ロシアとウクライナの停戦にどの様な提案を行うのか世界各国が彼の一挙手一投足に注目しているところです。
今月は、一度掲載した事がありますが、「ジャパネットたかた」について、世代交代後どの様に方向性を変えているのか?後継者である、高田旭人(あきと)氏をテーマに書いてみたいと思います。
先月号のアパホテル同様、ジャパネットホールディングスも未上場ではありますが、2023年度の売上高は2,621億円、従業員数は約5千名と東証プライム市場でも優秀な会社に属するのではないでしょうか。「ジャパネットたかた」というと、電化製品の通信販売企業というイメージがありますが、実際はテレビ通販の売上は2割強、紙媒体の広告からの売上が4割、後はWEBによる売上が3割5分となっています。
また、今は販売している商品も電化製品に限らず、食品やクルーズ事業も手掛けており、販売商品及び販売方法の多様化を図り、10年前に父・明氏から継承した時から、売上は1.7倍にまで拡大させています。
実は、高田旭人氏のお子さんと私の孫娘が同級生で、非常に可愛がってもらっていたんです!!
高田旭人氏のプロフィール
年 度
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項 目 |
1979年3月 |
ジャパンネットたかたの創業者、高田明氏の長男として出生。
自宅兼店舗で商売をする両親の姿を見て育つ。
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1999年3月 |
東京大学理科二類に入学(本人曰く、大学時代は殆ど勉強をせず、テニス、野球、飲み会に没頭!!)
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2003年4月 |
野村証券に入社(「ジャパネットたかた」に戻る事を想定していたので、金融の勉強の為に入社したとか)。金融で身に付けた管理会計を生かし、かつ身の丈に合う経営の実践として、自社の商品は777品目に絞り(アマゾンや楽天市場には品揃えでは勝てない)、かつ、原単位当たりのコストを算出し、収益性が期待できない商品は常に交換していく制度を採用している。
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2004年 |
「ジャパネットたかた」に入社。爾後、販売推進統括本部長、商品開発推進本部長、総合顧客コンタクト本部長兼商品管理部長を歴任
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2015年1月 |
35歳で社長に就任(副社長時代に、チャレンジデー(1商品を1日限り特価販売する企画)を提案。明氏から「こんなやり方では駄目だ!!お前が社長をやれ!!」と言われて社長に就任)明氏は長島茂雄タイプで自分は野村克也タイプとか)
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私が一番、旭人氏に魅力を感じるのは、昨年10月14日にオープンした長崎スタジアムシティー。
一般的には地方創生事業は地方自治体が行い、民間企業が相乗りする形態が多いのですが、売上の約4割に当たる1,000億円を投じて自らが長崎の地方創生事業に乗り出した事。
上場会社であれば株主に対するリターン(ROE)を優先しなければならないのでしょうが、未上場会社ですので「経営的な収益の視点」だけでなく「世の中の為になる視点」もあっても良いのではないかという考えを貫いている事です。
このスタジアムシティーには、サッカーJリーグのV・ファーレン長崎がホームゲームを行う約2万人収容の「ピーススタジアム」、バスケットボールBリーグ長崎ヴォルカのホームゲームを行う約6千人収容の「ハピネスアリーナ」、243室のホテル、80店舗が出店する商業施設&オフィス棟などがあり、365日市民が楽しめるゾーンになっています。この収益を年間150億円と見込んで25年~30年での投資の回収を考えています。
旭人氏が明氏から継承しているのは、「見つける」、「磨く」、「伝える」という考え方!!
見つける
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良い商品を見つけて来る
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磨く
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商品にサービスを絡ませるなどして、その商品を磨く(値引き、スペア品を付ける)
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伝える
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テレビ、ラジオ、ネットなどを使い顧客に伝える
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旭人氏の、新分野進出の思考回路は・・・
「見つける」、「磨く」、「伝える」という考えがベース!
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業界の常識にとらわれずにチャレンジ!
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必要な人材は機動的に採用し、社外ともコラボ!
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旭人氏の事業承継のポイントは・・・
「良い会社」になれば良いと割り切って動く!(多少の先代との摩擦は覚悟する)
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シッカリと数字(売上、利益)を残す! |
「顧客と本気で向き合う」という先代の思いを引き継ぐ! |