【2024年9月】株主出資に関わる課税問題の処理

 

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7月1日より、改正<会社法>が正式に実施されています。国務院による<中華人民共和国会社法>の登録資本金の登記管理制度の実施に関する規定により、2024年6月30日前に設立登記された会社は、遅くとも2032年7月までに引受出資額を全額払い込まなければなりません。株主出資に関わる課税問題の処理は以下の通りです。ご参考いただければ幸いです。

課税問題

規定

法人株主の払込資本金が引受資本金を下回っている企業において、株主が登録資本金を減少する場合、税務処理はどうすれば良いですか? <国家税務総局による企業所得税の若干問題に関する公告>(国家税務総局公告2011年第34号)第5条により、投資企業が被投資企業への投資を減少する場合、その取得した資産のうち、初期投資に相当する部分は、投資回収として認識しなければならない。被投資企業の払込資本金の減少額に比例して計算した留保利益に相当する部分は、株式利息所得として認識しなければならない。残りの部分は投資資産の譲渡所得として認識する。

<企業所得税法>第26条により、条件に合致した居住者企業間の株式利息、配当金等の権益性投資収益は企業所得税を免除する。

法人株主の払込資本金が引受資本金を下回っている企業において、株主が出資圧力を軽減するために一部の株式を譲渡する場合、税務処理はどうすれば良いですか? <国家税務総局による企業所得税法の実施における若干の税収問題に関する通知>(国税函【2010】79号)第3条により、法人株主が株式を譲渡する時に、被投資企業の生産経営状況が良好で譲渡収入が初期投資原価を上回る場合、従来の株主に帰属する未払配当金等の株主留保利益も含めて、株式譲渡収入に基づいて企業所得税を計算納付しなければならない。
投資者が期限内に登録資本金を全額払い込まない場合、被投資企業の外部からの借入金利息は企業所得税法上で損金算入可能ですか? <国家税務総局による企業投資者が登録資本金を全額払い込まないことにより発生した利息支出に係わる企業所得税の損金算入問題に対する返答>(国税函【2009】312号)により、企業投資者が規定期限内に払い込むべき資本金を払い込まない場合、企業が外部からの借り入れを行ったことにより発生した利息は、実際の払込資本金と期限内に払い込むべき資本金との差額によって支払うべき利息に相当し、企業の合理的な支出に該当しないため、企業投資者が負担するべきものとされ、企業の課税所得額計算時に控除してはならない。

注意:<中華人民共和国印紙税法>の要求により、企業は投資者の出資を実際に受け取った当年度に、営業帳簿に係わる印紙税を申告納付する必要があります。