【2022年8月】棚卸資産に対する評価と廃棄処分の時の留意点

 

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中国の会計準則において、棚卸資産とは「企業が通常の日常活動において、販売を目的として保有する完成品または商品、製造過程にある仕掛品、製造過程または役務の提供過程にあって消費される材料および部材等」を言います。

在庫は、希望通りの価格でいつでも売れるとは限りません。市場のトレンドなどにより、購入価格以上の売値で販売することができないケースは良く見かけます。また、一般的に、在庫期間が長ければ長いほど品質劣化が進み、希望通りの価格で販売することは難しくなっていると考えられます。このような在庫は「不良在庫」や「滞留在庫」とよばれ、「在庫評価減引当金」を計上する会計処理があります。

留意項目

内容
会計処理の時期 会計決算期。四半期末、あるいは年度末に実施される。
在庫評価減引当金の計算 低価法で計算する。

①   (正味実現可能価額-在庫取得価格)×在庫数量

②   正味実現価額の客観的な算定が難しい場合、実務上は各社の財務規程に従い、在庫年齢に応じて一定率の引当金を計上することも可能。日本本社のポリシーを参考にするケースもよくある。

税務上の扱い 損金算入ができない。確定申告の時に加算される。

 

不良在庫、滞留在庫について、定期的に廃棄処分が実施されることがあります。廃棄損失の損金算入が可能ですので、下記の留意事項があります。

留意項目

内容
損金算入の手続 税務局への事前申請と承認が不要。

損金算入のための資料準備と保管が必要。

所要資料 ①   廃棄処分についての説明資料(処分の理由、品番、単価、数量と金額のリストなどを含む)

②   社内承認の書面

③   単価妥当性の説明資料(例えば、購入時の発票、原価計算の資料)

④   損失金額が大きい場合、会計師事務所が発行する専項報告書を用意する。

 

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