日中クロスボーダーM&Aコラム
「税務上、持分譲渡契約価格は
そのまま認められるか?」
Q:持分譲渡による企業所得税の課税所得を計算する時、持分譲渡契約価格は譲渡収入として、税務局よりそのまま認められますか?
A:税務局の判断や審査により、持分譲渡契約書に記載されている譲渡価額は、譲渡収入としてそのまま認められない場合があります。
【企業所得税法】第19条第(2)号に、財産譲渡による課税所得額は、収入の全額から取得原価を差し引いた残額となると規定されています。
「収入全額 = 譲渡契約書に記載されている譲渡価額」と、認識されている方もいると思いますが、実は、そうでない場合、つまり、税務当局は持分譲渡契約価格を収入全額としてそのまま認めない場合もあります。
●【国家税務総局公告 2017 年第 37号】第3条第2項
持分譲渡収入とは、持分譲渡人が持分譲渡によって取得した対価を指し、金銭及び非金銭形式の各種収入を含む。
●【中華人民共和国税収徴収管理法】第35条
納税者が以下のいずれかに該当する場合、税務当局は課税額を決定する権利を有する:(6)納税者が申告した税金計算基数が明らかに低く、正当な理由がない場合。
従いまして、管轄税務局は譲渡価格の金額が低いと判断した場合、持分譲渡契約価額と税務局指定の資産鑑定評価事務所の評価額などに基づいて、課税所得を調整する権利があります。